第49話 ティティル包囲殲滅作戦
「プレイヤーが全然いない?」
討伐人数が350人を超えてから、どんなに探してもほかプレイヤ―が見つからない
『さすがに暴れすぎたから隠れてるんじゃない?』
『ティティル戦線で合流してるのかも!』
『いや、戦線が崩壊してすでに半分以上倒されたんじゃないの?』
『あ~確かに、ここまで来るとティティルちゃんに倒される前にってなりそうかも』
視聴者も困惑はしつつも、戦線が崩壊して本来のサバイバルに戻ったのではないか?という意見で一致しつつある
「ん~~、もう少し南に行ってみるかな」
現在、ティティルは北西部から北東部に移動していたが、北側にはもういないのではないかと考え、南に移動することにした
『南に集まってるなら乱獲し放題かもね』
『でももう共食いしちゃってて残ってないかも?』
『残りプレイヤー数って見れない?』
『見れないね』
ティティルは【隠密】を継続させつつ、【スナイプステップ】で移動開始する
最初の行き先は東南部の川原地帯、その次に南部、南西部、西部の順番に移動するつもりのようだ
そのまま東南部、南部は人がいなかったが、南西部に入ってからは雰囲気が変わる
「………………見られてる?」
『よくわかるねティティルちゃん』
『ビル街だから遮蔽物も隠れられる場所も多いしね』
『にしては攻撃してこないね』
『そりゃ下手に場所バレるようなことしたらやられるからでしょ』
『通り過ぎるのを待ってるのか?』
ビルが多く体並ぶ南西部、ティティルの世界にはなかった光景に、どこに何があるかうまく把握できない
「窓からこそっと見てる、攻撃するつもりがなさそう」
ビル街には、オブジェ扱いのおきっぱの車が、車道を埋め尽くされており、ティティルはその間を進む
真ん中で進むことで攻撃を誘い、正確な位置を把握するつもりらしい
『もしかして連携されてる?』
『かもしれないけど、攻撃しないのはなんでだろ?』
『場所を知ること優先なのかも?、見失わないように』
「ん~~、日光が反射してて少し見づらいかも」
ティティルはスナイプステップで進むが、まったく攻撃は来ない
そのままビル街のど真ん中、ほかのビルより大きなビルが4方に存在し、真ん中は大きな交差点になっている
大きなビルには巨大モニターが設置されており、RWOのCMが大音量で流れており、
攻撃を誘うならど真ん中と考えて交差点で佇む
「なんで攻撃してこないの!?」
車もない真ん中で頭を悩ませる
もしかしたら逃げたのではないか、そう考えだした
しかしそうではない
「っボルト!」
「っ!スナイプステップ!」
ティティルはギリギリになるまで気づかなかった雷の攻撃をスナイプステップで回避する
少し油断してたとはいえ、耳も強力なティティルでも気づかなかったのは大音量のモニターのせいもあるが、雷魔法のボルトは初級レベルだがほぼ無音の攻撃であり当たれば確率で麻痺も付与できる
「来た!あいてはっ、んえ?」
回避をした後攻撃してきた相手を視認しようとした際、ティティルは驚く
突如響く爆発音、その爆発音は4方の巨大なビルの1階からであり、そのままビルは車道をふさぐように横に倒れる
「っ!まずいかも!」
「ボルト!」
「っ!」
逃げの体制に切り替えようとするも、先ほどのモニターより大きな爆発音、その大音量の影に隠れて迫ってくるボルト
スナイプステップはリキャストタイムの為使えないため、自力で回避する
元々消費MPが少ないためか連続で発射され、ティティルの正面に向かって放つことで準備が整うまで逃げられないようにする
「あちゃ~~、やっちゃったかも」
回避中にビルは倒れ、四方に逃げられない壁が出来上がる
ボルトで真ん中に誘導されたティティルが警戒を続けると
「待っていたよティティルちゃん」
倒れたビルの上から声が聞こえる
「っ、最強Vゲーマー八皇の………ツルギさん!」
「どうやら認知してくれてるようで嬉しいよ」
ツルギが姿を現してから、ほかのプレイヤーが倒れたビルの上からぞろぞろと降りてくる
他3方向からも同じようにぞろぞろと現れる
全員臨戦態勢であり、ツルギの指示を待っている状態
「先に行っておくと、君のスキル………スナイプステップのリキャストタイムがまだかかること、それと移動距離については把握しているよ、もちろん移動方向に障害物があったらその先にはいけないっていう仕様についても」
「っ!」
『そうか、情報収集のために監視してたのか!』
『攻撃を誘う為に隙をさらしてたのが裏目に出た!』
『ツルギガチじゃん!!』
『よくこんなに集めれたな、もう残りの生存者全員いるんじゃないの!?』
「弓系統のスキルはティティルちゃん以外取ってないから詳細を把握するのに苦労したよ、それとほかのスキルのMPや矢の消費量、ポーションの使用回数とおおよその現在の本数、スナイプステップは燃費が少し悪いようだね」
「なっ!」
『なんでそこまで!?』
『そうだよ!ツルギのヤバさは情報収集とその情報をまとめて相手のすべてを看破するところがやばいんだよ!些細なことでもそこから致命的な情報を握られかねないんだ!』
『なにそれ!?つまり少しの情報があればティティルちゃんの下着の色も当て得られるのか!』
『つまりティティルちゃんは丸裸ってことだよ!』
「丸裸!?え、エッチ!!」
「ティティルちゃんの視聴者達、勘違いするようなこと言わないで!」
「団長っ………」
少し変な空気になったが、ゴホンと咳をして切り替えるツルギ
「さて、リキャストタイムの時間稼ぎをさせるわけにはいかないからね」
「全員、突撃!」
「「「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」」」」」」」
周りにいるプレイヤーが一斉に突撃を開始
「さぁ、宣言通りに無傷で攻略かな?」
ツルギは眼鏡を食いッとするとほくそ笑む
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