君との距離センチメートル

グミ

第1話ひとりぼっちだと思っていた...

お母さんが死んだ。

私がまだ高校2年生の春の季節だった。

窓から桜が儚く散っていくのを私は見つめていた。この世界からはたった1人いなくなっただけなのに私にとってはとても大切で、大好きな大きな存在の1人だった。私はバラバラに割れたガラスのように心が壊れてしまった。


学校に行く気になれず不登校になり、その後高校を中退した。それからは友達とも疎遠になり、お父さんとの会話もほとんどしなくなった。

毎日、毎日、泣いては寝続ける日々で顔は腫れぼったくなってしまった。


外にもほとんど出ず、ゲームや漫画を読んで寝る生活をしていたら、あっという間に24歳になっていた。


毎日、同じような日々でこんなはずじゃなかったと嘆きながら、お母さんが生きていたあの頃を恋しく思いながら悲しくなった。


眠る前、窓から見上げる夜空を見て、お母さんがよく言っていた言葉を思い出す。


「星にはね、願い事が叶う魔法の力があるのよ。だから、例えば叶えたい夢が出来た時は星に願いなさい。きっと叶うから。」


お母さん、私は自分の叶えたい夢さえわからないよ。


今の私はひとりぼっちだ。





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君との距離センチメートル グミ @gumicoco0704

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