第11話 素敵なハンカチ

ベン「マリ!起きろ‼︎もう行く時間だぞ‼︎」

マリーナ「え〜?ちょっと今何時…?」

マイケル「朝の8時だ‼︎予定では7時に出るはずだったぞ‼︎」

マリーナ「8時⁉︎ごめんなさい!身支度だけさせて‼︎」

ライナー「何分かかるんだよ?」

マリーナ「9時にここを出ましょう‼︎」

ライナー「そんなかかるのかよ!」

マリーナ「女の子には女の子のやることがあるの‼︎」

マイケル「チェ‼︎そうかよ…!」

マリーナ「待って!きっと父様もまだ寝てるんじゃないかしら⁉︎」

キュール「俺はもう起きてるぞ。」

 いつも起きるのが遅めの父様も起きてるなんて

マリーナ(今日、ついてないなぁ…。)

 そんなことを考えていると、使用人が入ってきた

ジュエル「マリーナ様。身支度のお手伝いをさせていただきます。ジュエルです。」

マリーナ「よろしくお願いします。」

ジュエル「では、ここに座ってください。」

 私は椅子に座ると髪を櫛でとかされた

ジュエル「まぁ!」

 びっくりした

 どうしたのかしら

マリーナ「あの、どうかなさいましたか?」

ジュエル「とても美しい髪ですね!サラつやだわ‼︎」

マリーナ「ありがとう。」

 私は少し照れた

マリーナ「あの、あなた、今日ついてこない?」

ジュエル「ついて行こうと思えば…。」

マリーナ「なら、ついてきてちょうだい!」

ジュエル「お邪魔にならないですか?」

マリーナ「ええ!全然大丈夫よ!」

ジュエル「では、行かせてください…!」

マリーナ「さ、着替えるのを手伝ってくれる?」

ジュエル「はい。あら、素敵なドレスですね!」

 白い布に白いレースの真珠が着いたドレス

 今日は暑そうだし、ちょうどいいわ

マリーナ「ありがとう。お気に入りなの。」

ジュエル「センスがいいですね。」

マリーナ「ありがとう、嬉しいわ。」


 数分後…


 私は白いドレスにハーフアップをした髪でくるっと1回転

マリーナ(うん、いける。)

マリーナ「さ、次はあなたよ。」

使用人「え?」


 また数分後…


ジュエル「え…?これ、本当に私なんですか?」

マリーナ「ええ。間違いなくあなたよ。」

 綺麗になった

 元々の顔がいいのもあるけど

マリーナ「さ、行きましょう!」

ジュエル「はい!」

 私が外に出ると

 エイデン・父様・ベン・マイケル・ライナーが「遅い」

 と文句を言ってきた

 エイデンは少し汗をかいている

マリーナ(待たせすぎたわね。)

マリーナ「みんな、ごめん。エイデンったら、汗もかいて。本当にごめん。」

 そうだ

 今渡そう

マリーナ「エイデン、こっちきて。」

エイデン「なんだよ。」

 エイデンはそういいながら、仕方なさそうにこちらにきた

 そして私はエイデンに作った薔薇の刺繍の入ったハンカチを渡した

マリーナ「これ、エイデンのために作ったの。これで汗を拭いて。」

エイデン「え?すごいなぁ‼︎マリってこんなのもできるんだ‼︎」

マリーナ「当たり前でしょ。」

ジュエル「お優しいですね。素敵なハンカチ!」

マリーナ「ジュエルに言われるとすっごく嬉しいわ!」

 私たちは笑った

ベン「というか、綺麗な使用人さんだな。」

 ジュエルは顔も真っ赤にした

マリーナ「なぁに?ベン。もしかして惚れちゃったぁ?」

ライナー「もしかして一目惚れかぁ?」

マイケル「このベンを落とすなんてすごいですねぇ!」

 私たちが意地悪でそういうとベンは首を横に振った

ベン「綺麗だし、俺の好みだけど、まだ性格も知らないしな。」

ジュエル「そうですよ!まだ話したこともないのに!マリーナ様ったら!」

 と顔を真っ赤にしたジュエルが言った

マリーナ(みんな可愛いなぁ…。)

 あ、また顔が緩んだ…

 やっぱり、この人たちといると、すごく楽しくなる

 ↑(エイデンと父様以外だけど)

マリーナ「さ、行きましょう。」

エイデン「ああ。」

ベン「そうだ、あそこの路地裏には入らない方がいいらしい。」

マリーナ「そうなの?」

マリーナ(そう言われたら行きたくなっちゃう。)

 まぁ、どうせ行くつもりだけど

 ああ、私ってこわいとこあるなぁ…

 そう1人でにやけてしまった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

悪女の復讐 わんこりつぁん🥉🫧 @piyopiyo-panda

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ