第6話

 10年前。

 リボー皇国という国が滅んだ。


 あの時の熱狂を今でも覚えている。

 誰もが笑顔だった。

 誰もが浮かれていた。



「やったー!! これで皇族を辞められる!!」

「よし、私は行商人として各国を飛び回ろう」

「俺は学者として魔法の研究をする」

「俺は数学者だな」

「私は宝石を集めたいな」

「各国の食べ歩きも良いな」

「お前らズルいぞ。クソ、なんで私が皇帝の時に」



 みんな、皇族を辞められることを喜んでいた。


 王侯貴族なんて好き好んでやるものではないのだ。

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皇子に転生したら国が滅んだ件 珠洲気流 @cruelty

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