第3話
高木【めちゃ久しぶり! かなり先だけど、2/10に3組の同窓会しようと思ってる! 俺、○○、△△、××で計画してていま人数集めてるから、できれば参加して欲しい! 正直いろいろあったけど、純粋にみんなにも会いたいって思うし、◇◇先生にも声かけたから、仕事の休みとか予定確保の準備してもらえると助かる!3連休の初日だから規制とかしやすいかなと思ってその辺りにした!】
水城【高木君久しぶり、小沢君も誘った?】
高木【久しぶり!いや、誘ってない!ていうかLINE知らない!たぶん水城君以外知らないんじゃない?笑、できれば誘ってほしいけど連絡つきそう?】
水城【わかった、誘ってみます】
中学を卒業して、もうすぐ13年になります。
高校、大学と進学して、社会人になってからも数年が経ちますが、まだ中学校時代の、あの経験が心のどこかにわだかまりとして残り続けています。
中学を卒業した後も、小沢君とは何度か一緒に会いましたが、大学進学を機に上京をしたきり疎遠になりました。
斉藤君はサッカーの推薦で進学が決まっていた私立高校から合格取り消しを言い渡され、その後音信不通となり消息不明です。
その他のクラスメイトとはほぼ一切連絡を取っておらず、連絡を取る気にもなりませんでした。
上記のLINEは卒業の際連絡先を交換した数少ないクラスメイトである、野球部の高木君からのものでした。
私は数年ぶりに小沢君に連絡を取りました。
水城【小沢君久しぶり、元気?】
小沢【おお! 水城じゃん! 超久しぶり! 元気だよ】
水城【よかった 今度3組の皆で同窓会があるみたいなんだけど、来れそう?】
小沢【お! マジか ごめん、今シンガポールにいるから無理!笑】
水城【本当に?】
小沢【冗談!】
水城【なんだよ】
小沢【でも地元だと多分無理 今福岡に住んでるから!】
水城【ほんと?】
小沢【これはマジ】
水城【2月の連休の初日らしいんだけど無理そう?】
小沢【あー 行けなくはないけど 正直ダルいwww!! 俺嫌われてたし、正直あんま会いたい人いないし】
水城【そっか】
小沢【また2人で会おうぜ】
水城【そうだね 福岡か、いいな 行きたい】
小沢【来て来て】
そうかそうか、小沢君は今福岡に住んでいるのか。私はとても小沢君に会いたい気持ちになりました。
***
同窓会には大体クラスメイトの半分、20名くらいと担任だった先生が参加しました。
実は人生ではじめて参加する同窓会でしたが、あまり感傷に浸ることはありませんでした。
一番親しかった小沢君は結局参加しませんでしたし、そして斎藤君をはじめ松本君のいじめに深く関わったクラスメイトも参加しませんでした。
私は小沢君以外に親しいクラスメイトは正直殆どいませんでしたから、あまり話す相手がいませんでしたが、LINEで同窓会に誘ってくれた高木君が隣に座ったことで、高木君とだけは話をすることができました。
高木君とは中学時代、正直そこまで話したことはありませんでしたが、とても気さくで話しやすい人でした。
「水城君って今何してるの?」
隣に座っていた高木君が聞いてきました。
「東京で普通に会社員してるよ」
「ほんとに?俺も今東京なんだ」
話をするうちに、実は高木君の勤務先が一駅となりであることが分かり、私たちはそれなりに盛り上がりました。
「いやーまさか水城君がそんな近くで働いているとは知らなかったよ、今度東京出てるメンバーでも集まろうぜ。実家だと逆に集まれない人も多かったんよ、な、○○」
高木君は同じ卓の同窓会主催の他のメンバーにも話を振り、少しですが場の雰囲気も盛り上がってきていると思いました。
そんなとき、高木君は立ち上がり、真剣な顔つきで皆に話しはじめました。
「皆、あと◇◇先生、今日は同窓会に来てくれて本当にありがとうございました。正直、松本君のことがあって今までこうして気軽に集まれる感じではなかったけど、これからは年に一度くらいは集まって、皆で近況報告くらいできるようになりたいと思ってさ」
回りのクラスメイトたちはうんうんと頷きながら高木君の話を聞いていました。
「クラスのLINEもこうして出来たことだし、いつか斎藤とかも来てくれるようになったら、それはそれでいいなと思うんだ、だから、、ん?」
高木君が言葉を発しようとしたとき、その場にいた全員のスマホに通知が来ました。
それは、新しく作ったクラスのグループLINEに投稿されたメッセージで、同窓会に参加していない人間の名前が表示されていました。
【皆のこと許さないから】
いじめっ子の話 ~完~
いじめっ子の話 水城ナオヤ @gad_tsuxin
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます