人と馬、共存する生き物。そこには種を超えた絆が生まれる。生き物の躍動を感じることの出来る作品。
黒く輝く美しい馬体。観る者を魅了する圧倒的な走りの前には、悲しくも熱い物語があった。ゲートが開いてターフを駆ける。それがスタートの合図。だけど彼のスタートラインは……。最後の「涙を舐める力しかない」くだりに、胸が締め付けられる思いでした。詩的な雰囲気でスタートする物語。一度読めば、きっと名馬の末脚みたく、スクロールする指が止まらないでしょう。