第5話

発見した。あれが問題のオークか...

黒黒としているなんとも邪悪極まりない。天音 天理の服を引き裂いて今すぐにでも襲おうとしている。幸いこちらに気づいている様子はない。このままスピードを載せて不意打ちをしよう。


「トウッ!」


一瞬天音への興味をそらして不意打ちを行う。


「ハッ!」「グケッ!」


オークが勢いよく吹き飛んだ。それも面白いぐらいに。多分50mぐらいは吹き飛んだんじゃなかろうか。とりあえず天音 天理の状態を確認せねば...ってすっごいジロジロ見てくるんだけど...


「俺が来たからにはもう大丈夫だ!」


「あっあなたは?」


なんともテンプレな感じがする。特に昔のアニメとか...

まぁとりあえず名前か...博士が名付けたのはあまり良くなかったからなぁ...よし決めた。


「俺はダンジョンライダー戦鬼。よろしく。」


「はっはい!よろしくお願いします。じゃなくて!助けてください!」


ははは、この子ノリツッコミができるのか...


「グググ」


オークが起き上がってこちらに向かってくる。とは言っても距離は相当離れてるしオークってスピード遅いから心配はなし。今のうちにバフを積んでおくとしよう。


『マジックリンク』

『疑似魔法 エンチャントブースト』


魔力を足にまとわせて...準備は万端だ。後は狙いを定めて、


「これで決めるぜ!」


『ファイナルリンク』

『疑似必殺 ライダーキック』


地面を蹴り出して一回転して、オークを狙う。


「ライダァァァキィィィク!」


瞬間、俺の足は吸い込まれるかのようにオークの体を貫通させた。


「ギィィヤァァァ」「ドカァァン」


オークが叫んだ後すぐさま爆死した。

多分ここの演出は博士が仕組んだんだろう。


「これでまぁ大丈...夫か⁉」


彼女の方に振り向いた時、倒れそうになっていた。すぐさま抱き抑えてゆっくりと床に下ろす。


ス~ス〜


多分さっきまで気を張っていたのだろう。安心して気が緩んだんだ。変身を解除して彼女をおぶって転移部屋まで向かうことにした。

俺が助けたことにすると色々面倒なことが起こりそうなのでここは助けていたのを見た第三者として託されたことにしよう。


転移部屋についたので早速脱出する。転移先はさっきの入口の反対側。眼の前にはカメラマンが一同、待機していた。なんでぇ?


「三月さん!大丈夫でしたか⁉」

「ええ、大丈夫ですよ。」


受付の人が小走りでこっちに向かってくる。


「本当に危険なことをして...死んでしまったらどうするんですか⁉」

「ええ、すいません。でも今回俺は戦っていないんですよ。」

「戦っていないってどういうことですか?」

「なんかダンジョンライダー戦鬼を名乗る人がオークをぶっ飛ばして、俺に託してきたんです。」

 

周りの記者達が困惑している。


「じゃああのカメラに写ってたのって」「新たな魔神じゃないのか?」


どうやら配信のために使っていたカメラが起動していたようだ。録音関係は壊れていたけど...


「えっえとっとりあえず医務室に向かおうか」


すごい困惑している。そりゃそうだ。敵だと認識していたやつが本当は天音さんを助けただけだったと言われたら困惑もするだろう。とりあえず受付の人に従って医務室に向かった...




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ダンジョンライダー戦鬼 @konisioonisi

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