第24話
《HP+40 MP+50》
《腕力+4 体力+6 敏捷+3 精神+8 葬力+1998》
《【霊視】Lv+1》
《ダイシはあたらしいスキルをおぼえた》
「ダイシさん!大丈夫ですか?ケガとかしてませんか?」
先行して小走りに俺の元に駆け寄ってくれたサツキちゃんは、近くに来るなり俺の体をあちこち見たり触ったりして、心身の状態を確認してくれた。
特に怪我とかはしていない。
ん?ちょっと触りすぎじゃないか?
くすぐったいんですけど!
「ちょっと疲れたけど、無傷だよ!それより今レベル上がってステータス確認してたからちょっと待っててね」
サツキちゃんの介抱を一旦制し、再びステータス画面の操作に戻る俺。
久しぶりに新しく覚えたスキルと溢れた葬力が気になって仕方がない。
早く続きがみたい。
―――――――――――
名前 阿尻 ダイシ
職業
レベル 10(+2)
HP 100/140(+40)
MP 90/150(+50)
腕力 34(+4)
体力 14(+6)
敏捷 9(+3)
精神 24(+8)
葬力 999(+1998)[1998]
スキル
New【葬拳 LV1】【応報 LV1】【成仏 LV1】【回帰 LV2】【火葬 LV2】【霊視 LV4】
―――――――――――
冥竜王は倒せなかったけど、経験値は得られたみたいでよかった。
レベルは2上がり、覚えたスキルは【葬拳】だった。
拳って……えっ?まさかの物理なの?
説明どうなってんだろ。
【葬拳】:葬送の拳が対象に天の鉄槌をくだす
完全に物理だな、これは。
俺の予測では、おそらく腕力値と葬力値の両方に絡んだスキルだと推察する。
だとするならば、だ。
昔から筋肉に憧れがあった俺にとって、この後のステ振り方針はもう決まったも同然。
ってことで、善は急げ。
メインイベント、ステータス割り振りを行いたいと思う。
―――――――――――
余剰葬ポイント 1998
HP 100(0) -+
最大HP 140(0) -+
MP 90(0) -+
最大MP 150(0) -+
腕力 34(0) -+
体力 14(0) -+
敏捷 9(0) -+
精神 24(0) -+
―――――――――――
慣れた手つきでステ振り画面を起動。
ふむふむ。前の時と仕様は変わってないな。
ただ今回は余剰値が1998もあってワクワクが止まらない。
よし!それじゃあ早速……。
ここをこうやって……こうだ!
―――――――――――
余剰葬ポイント 0
HP 100(0) -+
最大HP 350(210) -+
MP 200(110) -+
最大MP 200(50) -+
腕力 999(965) -+
体力 400(386) -+
敏捷 180(171) -+
精神 130(106) -+
―――――――――――
決定ボタンをポチッ!
オッケ!めちゃくちゃ強くなった!
これは次の戦闘が楽しみだ!
:ちょっとなにひとりで楽しんでんだよ!
:今ステ振りしてただろ
:俺たちに相談しろよ!
:また現在HPに振ってないだろうな
:バランスが大事よ、バランスが
:いや守り重視っしょ
:スキルがすごいから腕力はいらないよね
:最大HPはとりあえずマックスにしたよね?
:ちょっと早く説明してくんない?
視聴者さんの思い思いの割り振り方法がコメント欄を駆け巡る。
腕力いらないといったコメントが散見されている気もするが。
「腕力カンストさせたよ。今覚えたスキルと相性良さそうだったから」
恒例のステータス&スキル説明をカメラに向かってする俺に対して、様々な意見が飛び交うコメント欄。
もう目が疲れるので一旦コメントを追うのは休憩しようと思う。
「なんかまたワケのわからないことになってるみたいですね、ダイシさん……」
「一体どうなっちゃうんだろうね、俺……」
「さぁ……」
「あ、あの!」
俺とサツキちゃんが苦笑いしながら顔を合わせていると、遅れて近づいてきたSS級探索者パーティのミーナちゃんが会話に割り込んできた。
サツキちゃんに回復してもらったからだろう。
ミーナちゃんは元気そうだった。
「あ、えっと。ミーナちゃん?でいいかな?」
「えっ?どうして名前を……。あ、視聴者さんに教えてもらったのね!」
「ごめんね。俺の視聴者さんたちなんでも知っててさ。それより仲間の2人は……」
「兄さんたちは私がしっかり回復しておいたから大丈夫!ただちょっと体力消耗が激しすぎたみたいで、まだあっちで寝てるけどね!」
ミーナちゃんが軽く後ろを指差した場所。
確かにスレイさんとジャンさん?が幸せそうに眠っている姿が見えた。
てか兄妹なんだね。
同じ家系でパーティ組んでSS級まで上り詰めるとかすごい。
エリートな血筋なんだろうな。うらやましい。
「あぶないところを救っていただき本当にありがとうございました!ただ……」
お礼を言いながらも厳しい表情で俺を直視してくるミーナちゃん。
どの辺りから俺の戦いを見られていたのかはわからないが、当然普通ではないと思われていると思う。
この視線の意味はそういう事なのだろう。
顔をマジマジ見られるものだから、俺も見返しているのだが、このミーナって子……。
すごいべっぴんさんだ。
サツキちゃんとはまた系統の違う、美人系女子といった感じ。
スッと綺麗に筋の通った鼻のラインが印象的だった。
「戦いはある程度見させてもらいました。サツキから事情も聞きました。いろいろ言いたいことはあるんですけど……」
すごく含みのある言い方をしてくるミーナちゃん。
いくらべっぴんさんとはいえ彼女はSS級の実力者。
放つ言葉の端々に力強さを感じる。
果たして、何を言われることやら……。
「とりあえず一言だけ。阿尻ダイシさん。貴方、本当に人間なんですか?」
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