第7話

しっかりと目を見開くと自分の目の前にいるのはトゥールであることがわかった。心配そうな顔でこちらを覗き込んでいる。

「大丈夫??」

しばらく呆然としていたが徐々に意識がはっきりしてきた。自分がトゥールの手をずっと握っていたことに気がついてはっとする。慌てて手を離した。

「大丈夫だ。他の奴らは?一緒に落ちたやつがいたはずだよな。」

「ロゼリティ君はもうすでに目を覚まして様子を見にいってくれているの、他の2人はそこに、」

トゥールの話をジャルダンが遮った。

「おい、何考えてんだ、ここは禁じられた森だぞ!ただでさえ様子がおかしいんだ!一人でうろつけば命の保証なんてない!」

そう言うと木の下で寝ていたギルティと箒から落ちた奴をジャルダンは叩き起こした。まだ寝ぼけている二人を率いながらトゥールに聞いた。

「おい、あいつはどっち行ったんだ。」

顔を青くしたトゥールが前を指差した。そちらはまるで俺たちを誘導するかのようにまっすぐな道となっていて不自然なのは明らかだった。

はぁ、ジャルダンはため息をつきながら

「おい、この道を進むぞ。こっからは多分命の保証はない。自分の身は自分で守れ。」

それを聞いた箒から落ちたクラスメイトの顔が青ざめた。

「ねえ、やめようよ。ここでまってよ。あぶないよぉ。」

「ダメだ。ロゼリティが先に進んでんだ。一人でこの森を進んだらあいつは死ぬ。」

「それにここにいたからって安全とは限らないしな。大体俺らがこの森に入れちゃってる自体で非常事態だし助けは当分こないだろ!」

ギルティがあっけらっかんに言った。

「そ、そ、そんなぁー」

とクラスメイト。

「まぁ、この森に入れるなんて貴重な機会だしせっかくなら楽しんでこーぜ!」

俺の肩に手を回しながらギルティが言う。

「ぐだぐだしている暇はない、とにかく急ぐぞ。」

そう言ってジャルダンは先陣を切って進んだ。

歩き出してしばらく経つが人影はおろか生き物の気配を感じない。

「あの!」

トゥールがジャルダンに話しかけた。横を見ればさっきまでギルティたちといたトゥールが横にいた。後ろを向けばクラスメイトはおびえてギルティにひっつき、ギルティはそれを面白がって戯れていた。こんな時でもお気楽な奴だなと思いつつトゥールに目線を戻した。

「なんかあんのか」

無愛想に聞くとトゥールは一瞬下を向きグーになっている手に力を入れてばっとジャルダンの方を見た。

「あの、ごめんなさい。私がロゼリティ君をちゃんと止めていたらよかった。」

「禁じられた森が危険だなんてバカでも知ってんだろ。謝る暇があんなら周りを警戒しろ。」

そう冷たくいい放った。



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出来過ぎ魔法師は出来損ない魔女が気になるらしい @pa_pico

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