「カクヨムWeb小説短編賞2023」創作フェス1回目お題「スタート」用のブツ
木元宗
第1話
こいつにはぜってー気合入れて書いた作品には使いたくねえと思ってた色のキャッチコピー使ってやったぜうへへ! 何だこのうっすい緑! 貧乏な抹茶か!
カクヨムWeb小説短編賞2023創作フェスだってよ! 参加したくて九日の二十三時からネタを考えてたんだが、何も浮かばないまま現在時刻三時四十分だぜ! バーカ! クソが! お題は「スタート」ぉ!? 私の創作性はまだ何も始まってねえよ! 始まってるとするなら眠気による脳死タイムと夜更かしだ! そう! もう始まってる! つまりこれはお題をこなしていると言える! つまり今まさに椅子から立ち上がったらそのままバタンと寝入っちまいそうなこの状況下で脳死タイピングを繰り広げれば、私はこの創作フェスに参加出来る! うへ! やってやるぜ!
何でネタを考え始めたのが二十三時かだって!? 仕事を終えて帰宅して夕飯食べたらそんな時間になったからだよ! 帰宅時間遅かったの! でも明日は、いやもう十日になっちゃったから今日だ、今日は休みだからこのまま起きてても問題無いの! だから四百文字ぐらいさっさと書けばいいのに眠くてパソコンの前でぼんやりしてたの! 考えてる気になってただけで実際頭ん中カラッポ! 稼働率二割! それに気付いたのは午前一時ぐらいだったけれどそれはそれで腹立って来て、意地になって起きてたらもう現在時刻午前三時四十八分! 寝ろよ! バーカ!
「スタート」っつったら年も明けましたし思い出した事が一個あるんですよ。新年度。春つったら出会いと別れ。学生時代の友人の連絡先って、まだ何個持ってますか。大人になると減ってくでしょ。自分で消したり相手に消されたり。
学生時代の友人に一人、悪い意味で印象的な奴がいたんですよ。印象が悪くなってるのは私の主観の所為なんですが。彼女と私って正反対な性格だったんですけれど、結構仲よかったんですよ。彼女はすぐに「大好き! 愛してる!」とか言う手の奴で、私はそれに、「そう」とか「はいはい」って返す手の奴。私は顔に出やすい奴でもあるようなので、それが照れ隠しなのはバレていました。
そんな友人にある日、彼氏が出来ました。関係は良好です。友人はその日から、私に彼氏の話をよくするようになりました。どこに出かけた、記念日はどうした、誕生日には何をする予定、等々。それを話す友人の顔は、いつもにこにこでした。学生の割には何年も続いて、同期でも有名なカップルになりました。友人と私はバンドを組んでいたのですが、彼氏とデートに行きたいから練習を休ませて欲しいと頼まれた時には、生真面目な私には非常に珍しく承諾した程です。一回だけでしたしね。その日付とは二人には、何かしら重要な日だったのでしょう。友人も他のメンバーではなく私に許可を求めたのは、私は真面目だから許してくれないかもと思ったからかもしれません。手を合わせられましたもの。私は、「まあ、いつも練習頑張ってるもんね」って、若干渋る素振りを見せはしましたが見送りました。本心では嫌でした。友人が欠ける事により満足に練習が出来なくなるからという意味では無く、友人が私を置いて彼氏と遊びに行くのが嫌でした。
彼氏が出来たという報告を受けた時から嫌でした。その日から、私に彼氏の話をよくするようになったのも嫌でした。どこに出かけた、記念日はどうした、誕生日には何をする予定、等々。その全てを聞いている時の私の胸中は淀んでいました。それを話す友人の顔がいつもにこにこなのも、学生の割には何年も続いて、同期でも有名なカップルになった事も、素直に受け取れませんでした。当時の私にとっては、親しい友人に彼氏が出来たという経験が初めてだったので、喧嘩別れした訳でも無い友人と疎遠になる事に慣れてなかったんですね。
私がバンドを始めたきっかけも友人に誘われたからで、私はその友人の為にバンドやってる所が結構ありました。友人と彼氏に仲がいい所を見せられると、モヤッとはしても友人が幸せなのは嬉しいというパッとしない気分に陥りました。だから破局すればいいのになんて思った事は一度もありませんでしたけれど、私はこんなに時間を割いてるのに結局彼氏には勝てないんだなと、不貞腐れてたんですね。そんな私の照れ隠しはすぐ気付くくせに、彼氏に嫉妬してる事や、人の幸せを素直に祝えないという私の暗い部分について、友人は気付く事がありませんでした。私が気付かれたくないので表に出さないようにしていた所は当然ありますが、余り綺麗な部分ばかり見られるのも、居心地が悪いですね。普段の淡白な言動からは想像が付かなかったのでしょう。私もそんな自分に強烈な違和感と嫌悪感を覚えました。今でもふと思い出すぐらい嫌な思い出です。何て普段と乖離してるしはしたないんだろう私って。
これの何が最悪って、友人と彼氏が別れた際の私は、あんなに仲よかったのに残念だって、心の底から惜しんだんですよ。本当に我が儘。自分の都合のよさにうんざりします。この体験とは、私が初めて嫉妬を覚えた出来事であり、つまりは私の人生において嫉妬の「スタート」でした。二度とそのような考えに及ばないよう日々努めています。普段はあんまり興味無いんですけどね。人。淡白に接するくせに相手からどっかに行かれるのは絶対に嫌って、私って相当嫉妬深いんだと知り大ショックを受けた経験でもあります。思えば好んで聴く恋愛ソング、全部病んでるか重たいのばっかだし。中高生が好むような、爽やかでキラキラなやつ聴いた事無い。
現在時刻午前五時六分。お題に沿う事が出来たんじゃないでしょうか。思いの外キキララならぬ赤裸裸な内容になったので、朝になったら恥ずかしくなって消してるかもしれません。アー次の新作はドロドロの恋愛ものにしちゃおっかなアアア!!! 多分ヤンデレ書けるんだよな私ィーッ!!!
よい一日を。
「カクヨムWeb小説短編賞2023」創作フェス1回目お題「スタート」用のブツ 木元宗 @go-rudennbatto
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