第4話

運動だけでなく、頭も賢かった谷口玲央は県内1,2の偏差値と名高い、私立名嘉巳めいかみ高校へなんと受験者トップの成績で合格。学力でも全国トップ10にランクインしたことのある玲央にとっては当然の結果だった。


岡田明純も全国10位の玲央には到底及ばないが、通っていた中学の中間や期末試験では毎回学年50位以内。

名嘉巳高校は学年10位以内に入っていないと合格が厳しいと噂されるぐらいかなりの難関校で、毎回50位以内といっても明純の順位は40番台が多かった。



しかし、小学生のあの時以来あまり仲良くなかったはずなのに…何故か自分にもよくわからないが「玲央と一緒な高校に通いたい!」という思いが強かった私は

担任の先生の

「岡田さんの学力で名嘉巳に合格するのはかなり難しいかもしれません」

父親からの

「留年しても知らないぞ!」

という反対の声を押し切り、私立は名嘉巳を受験することに決めた。もちろん落ちてしまった時のすべり止めで公立高校も受験することにしていたが…



母親だけは

「明純がそこに行きたい気持ちが強いなら挑戦してみたらいいじゃない!もし落ちたとしても2ヶ月後の公立で頑張ればいいんだから!」

と唯一応援してくれていた。

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