第3話 岡田さん

岡田さんと谷口くんは生まれた病院も同じ、生まれた日も僅か3日違いという、言わば幼馴染。幼稚園・小学校・中学校・そして高校と、今まで全て同じ道を辿ってきた2人だった。


小学校低学年くらいまでの頃は2人で仲良く毎日のように学校終わりに遊んでいて、呼び方も名前の明純あすみちゃんと玲央れおくんだった。しかしある日から突然、谷口くんは変わった。


私がいつものように

「玲央くん今日は何して遊ぶ?」

と誘ってみる。


しかし彼の返答は

「今日はいいや」


4・5日この答えが続いたとき、私は「玲央くん最近どうしたのかな~」と思っていた。今までは私が誘ったら「遊ぶ」一択だったのに。

そして1ヵ月後にこの答えが返ってきたとき、私は質問することをやめた。彼が私のことをめんどくさがってることに気づいたから。



それからというもの


明純はだんだん玲央に話しかけなくなり、玲央も特に明純のこうした変化に干渉することなく時は過ぎ、2人は小学校、中学校を卒業。

卒業式の日に一緒に記念写真などを撮ることもなかった。



幼なじみの2人の間には知らず知らずのうちに分厚い大きな壁ができてしまったのだ。

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