第一章 日常


地下の朝は早い

朝日がない代わりに酔った母が扉を開ける音で起きる


夢から覚めるとかそんな綺麗な朝は一度も経験したことがない


ジャンは薄っぺらい布を畳み

冷たい水で顔を洗う


昨日と同じ服を着て白い短髪を整え

誰も返さない空間に「行ってきます」と家を出た



家から少し離れた場所

朝からガヤガヤとうるさく

大男たちが忙しなく行き交う光景は見慣れたもので「おはようございます」と呟きジャンはその景色へと溶け込んでいった



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ジャン 〜暁天〜 越沢 暁傑 @kikyo23

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ