最終話 祠の中で…
祠は何処から集めたのか僕の貯金通帳には莫大のお金が振り込まれていた。
気味が悪く恐怖を覚えたのだが…。
「悪いことはしてないよ」
彼女はあっけらかんとした表情で何食わぬ顔で言うので僕はそれ以上の詮索はしなかった。
祠に言われた通り僕は仕事を辞めることになる。
二人だけの生活が続くはずだった。
二人で過ごす時間が一年も経過した頃。
祠は僕に提案する。
「もう一度山に登ってみない?」
その意味深な言葉に僕はどうしようもなく頷いてしまう。
装備を整えて再び山頂まで登っていくと…。
あの祠は戸を開けて僕らを待ち構えているようだった。
「入ってみようよ」
その誘惑するような言葉に僕は魅力を感じてしまう。
どうしてかは分からないのだが彼女の手に引かれて僕は祠の中に入っていく。
中に入るとギギギと音を立てて戸は閉まっていく。
後ろを振り返ろうとするが祠は僕に向けて首を左右に振った。
奥の奥まで入っていき僕らは…。
僕と祠は二人だけの秘密な空間でいつまでもいつまでも…。
神か悪魔か…。
人形の彼女と僕はいつまでも…。
完
昔から凡人だと思っていた僕に「あなたは私にとって特別な存在よ」と教えてくれた君と紡ぐ恋の話 ALC @AliceCarp
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