(いみエモ話)メッセージなミステリー事件!専門学校にいたあの集団の正体とは?

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 「そういうことか!今、わかったよ!専門学校にいた、あの、謎の集団の正体が!」人の思いを伝えるのも、複雑ミステリー。

  (いみエモ話)

 意味がわかると、エモイ話。

 あなたは、この話の意味がわかりますか?

     ☆

 いきなりで何だが、話は、墓地からはじまる。

 仕事が休みの日には、たいてい、亡くなった祖父の墓参り。

 「じいちゃん?今日も、きたぞ」

 祖父思いの男、タミヤ。

 彼の祖父は、通信技術に関心をもっていた人。アマチュア無線からはじまって、いくつかの機器に詳しかった。

 もっとも…。

 彼のほうは、プラモデル系模型マニア。

 通信技術には、関心がうすかった。

 何年か前に、祖父の学んだ専門学校と同じ学校を卒業。

 祖父とは、学んだ学科がちがうが。

 「そういえば、タミヤ?」

 「何?」

 友だちとの連絡は、欠かさない。

 「お前のじいちゃんも、俺らと同じ専門学校に入ったんだよな?」

 「ああ」

 「で、タミヤ?」

 「何?」

 「お前のじいちゃんは、何の活動をしていたんだ?」

 「通信系の部と、応援団らしい」

 「掛け持ち?」

 「みたいだな」

 「専門学校時代が、なつかしいなあ…」

 「まあな」

 「あの日に、帰りたいなあ…」

 「老人かよ、お前は」

 一旦、通話を終了。

 「専門学校時代、か…。そういえば、あの人たちは、何だったんだろうな?」

 専門学校時代、キャンペーン用語のような言葉を口に出しては校舎の中を歩き回る、謎の人たちがいたのを思い出したのだ。

 「人と人をつなげる技術を、育てよう!」

 そう言って、謎の集団は、しばしば、黒服に身を包んだ生徒と一緒に歩き回っていたはず。

 祖父は、こう言っていたが?

 「良い音を、出していたのう…。人と人をつなげる、音じゃ…」

 どういう意味?

 「そうだ!」

 布団からはね起きる、彼。

 「今度、あの専門学校で、学園祭が開かれる予定になっていたはず。いってみよう!あの集団の秘密が、解けるんじゃないのか?」

 学園祭、当日。

 文化祭実行委員会の人にもらったパンフレットと、にらめっこ。

 「人と人をつなげる技術の実演会場は、こちら」

 …あ!

 「人と人をつなげる技術!」

 胸が高まる、キーワードだぞ?

 「ここだ!」

 体育館のステージ前には、すでに、大勢の客が集まっていた。

 「そろそろだね」

 「ああ」

 「はじまるぞ」

 ステージには、緞帳(どんちょう)ではなく、薄いカーテンが引かれていた。

 ステージの奥、カーテンの向こう側から、不気味な音が響いてくる。

 「トン、トン、トン、…ドーン、トン、トン、ドーン、ドーン!」

 さらに、不気味なことが起こる。

 「…じ、じいちゃん」

 彼の脳裏に、死んだ祖父の映像が浮かんできたのだ。

 「トン、トン、トン、ドーン…」

 この音の正体は、何?

 「そ、そうか!じいちゃんが、なぜ、この専門学校に入って、なぜ、応援団に入っていたのか?良く、わかったよ!」

 祖父のことが、より、好きになってきていた。


   (この話の意味)

 黒服を着た謎の集団というのは、黒の学ラン(学生服)に身をつつんだ生徒のこと。彼らは、この学校の応援団。 

 カーテンの奥で、太鼓を叩いていたんだろう。

 「ドン、ドン、ドーン!」

 そこに、「人と人をつなげる技術を育てよう」と言っていた人たちが加わる。

 こんな音を、出してね。

 「トン、トン、トン…」

 その音を出す人たちとは、モールス信号部の人たち。

 学園祭の当日、彼らは、合同演習を見せてくれていたのだ。

 「トン、トン、トン、…ドーン、トン、トン、ドーン、ドーン!」

 祖父からの、墓参りの礼になっていたのかもしれない。

 今どきの高齢者よ!

 このくらい、やってみろ!

 エモいなあ。





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