〜第十三話 王国の荒廃この一戦にあり by霧島理玖斗〜

「王国の荒廃こうはいこの一戦にあり」


開幕早々に霧島が突然そんなことを言い出した


「どうした、厨二病」


「酷いな?!」


たまに思うのだが霧島(こいつ)は遅めの厨二病なのだろう.....不治の病として知られる病気であり、組織でも治療法は確立されていない


「ーーキリシマ様、申し訳ないのですが不吉なことを言わないでください」


「ーーごめんなさい」


今は夜中ではあるがまだ国王は責務として王の間で仕事を行っているらしい、そのため扉の前で待機している


「....兵士は大体10名くらいだな」


足音により、大体の人数を把握する

流石に扉越しに気配感知など人間技ではないのでできない


「おそらく近衛騎士でしょう」


「こ、近衛騎士って...絶対強いでしょそれ、大丈夫なの?」


「こう言ってはあれだが、近衛騎士でも魔族に洗脳されている...だから大丈夫だろう」


「そ、そうか...」


それでも心配そうに言ってくる霧島、やっぱりいいやつだな


「ーーースイテイ...死なないでくださいね」


どうやら王女サマ....ルーナも心配してくれている


「もちろんです」


「怪我をしてもダメですよ」


「ーー善処します」


「できれば一緒にけ落ちしません?」


「はいーーーえ、え??」


ん?何を言い出すんだこの第二王女は....


「半分冗談です」


「よかった....ん?ハンブン?」


え?さっきまでこの国の危機を悼む忠誠心高い人だと思ってーーー

‘’うまくいけば拐って貰えるかなーと‘’

あれ?失礼だけど忠誠心あまりないんじゃーー??


「....水帝、お前いつのまに....」


「気のせいだから!まだ何も起きてないから!!」


「ーーまだ?」


「....そんなことより作戦忘れてないだろうな?霧島」


「あぁ、忘れてないぞ...王女様から貰った錬金術師用ポーションでレベルが8にもなったし」


「そうか、なら壁の生成は大丈夫そうだな」


錬金術師用ポーション、またの名を職業別ポーションとは名前の通り職業別にポーションがあり、それを使用するとレベルが少し上がるというものだ

ただ入手方法が今のところダンジョンでしか入手出来なく、高価である


「本当はスイテイのも用意したかったのですが....剣帝用のポーションはおろか、記録さえありませんでした」


「....」


恐らく高価だからというわけじゃないだろう、剣聖用のポーションはあるが効かなかった

やっぱり剣聖よりも剣帝の方が上なのだろうか?



「ーーそろそろ行きましょうか」


「そうだな...ルーナは何があっても前へ出ないようにお願いします、兵士は気絶させるだけなので安心してください」


「ありがとうございます、魔族に洗脳されても近衛騎士ですから」


やっぱり王族なのだろう、国へ対する忠誠心が高い


「ーーなぁ水帝、け声はどうする?」


「任せるぞ」


「そうか」


そう言うと息を吸い、叫びながらドアを勢いよく開けた


「お命頂戴する!!!!」


「な、なんだ?!」


「賊だ!恐らく魔族の手先だ!!」


「国王様をお守りしろ!!」


これじゃまるで逆賊だな、ラノへを読んでいる割にセンスの欠片もない霧島には

転生したら液体だったを読み直してきてほしい


「{剣帝覇気}」


「「「ーーーっ!!」」」


スキルを発動すると全員が一斉に剣を抜いた、全員敵か


「{神足}」


そう剣術スキルを発動すると、足が軽くなったのを感じた


一歩踏み出すだけで近衛騎士の間合いを超えて自身の間合いに入り、そのまま剣の柄で気絶させる

剣帝スキルLV. 1でも使えるらしい神足だが、Lv1でこれはぶっ壊れでは?と思うほどに強い


「ーーなっ?!消えた??」


「副団長が一瞬でーー?!魔法師!前へ!」


「ーーっ!魔法師がいるのか...」



「ーー守護する障壁よ具現化せよーー{生成}」


「スイテイ!キリシマ様が壁を生成し終わりました!!」


「おぉ」


見ると出入り口を塞ぐ様に金属でできた壁が現れていた

てっきり土かと思ったのだが...もしかして錬金術師って結構最強格なのでは?


そういえば同じ様に壁を作れる陰陽師がいたが、攻撃は基本避けるが基本の水帝流から見れば障壁なんて使わなくない?なんて思っていたのだが...こんなところで役に立つとは


「なっ、ルーナ王女殿下?!どうしてここに?」


「まさか...反乱?!」


「あのルーナ殿下が?!」


「ルーナ殿下、相変わらず見目麗しい!!」


流石にルーナに気づいたのか、近衛騎士たちはざわめき出すが、魔法師たちは構わず詠唱を続けている

騎士たちの話からしてルーナは信用が厚い様だ....うん、触れないでおこう


「ーーーー近衛騎士の皆様、聴いてください!現在お父様とお姉様は魔族の洗脳にかかっています!!スイテイ様とキリシマ様と共にその洗脳を時にきたのです!」


説明を頼む様に目を向けるとその意図に気付いたのか、ルーナが騎士たちに説明した

さすが王女様!さす王!!


「魔族の洗脳だと?!」


「そ、そんなことが?」


「てかあの男たち誰だよ」



「水帝!魔法が来るぞ!!」


「あぁ」


王女ガチ恋勢.......近衛騎士たちの発言に気を取られてしまったが、魔法師たちは詠唱が完了したようだった


「「「{氷槍 アイシクル}」」」


そうして出てきたのは、氷で出来た大人二人分はあるかと思うほどの巨大な槍だった


「ーー王女様ごと倒す気かよ」


「氷槍 アイシクルは対となる魔術、火炎魔術系統の魔法で対抗します!!」


そうルーナが説明してくれるが、この世界の魔術や魔法は義務レベルまでしか使えないのを忘れてないだろうか?

日本には陰陽師がいる代わりに魔術師がいないのだが海外には多くいる。

そのため日本に留学に来ていた魔術師から教えて貰った魔術があるのだが....どうしても俺は魔術を発動するのが苦手なのだ


「第三階梯魔術 {散魔}」


そう詠唱をすると一瞬光ったが魔力が安定したのかそのまま魔術が発動し、氷槍を打ち砕いた

あぶねぇ、暴発して爆発するところだったぞ....


「「「ーーーえ??」」」


流石に魔術、魔法を打ち消す魔術はないのか魔法師たちはそう素っ頓狂な声を上げたのだったーーーー




―――――――――――――――――


Q 剣要素なくないですか?


A 話の都合上どうしても剣以外が出てきてしまうので....


Q 許すのでその代わりヒロインの追加お願いします


A ーーーーはい?

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クラス転移して剣と魔法の世界に来たけど剣だけで最強を目指します 量産型勇者 @ninnjinn

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