フォローされたら爆売れすると話題の俺のアカウントが、S級美少女たちに狙われています。

夕日ゆうや

アイドル級ギャル。小動物系後輩。男装令嬢。

 インフルエンサー。

 それは世間や人の思考・行動に大きな影響を与える人物のことを指す。

 俺、東上とうじょう春木はるきもそんなインフルエンサーの一人だ。

 SNSでコメントや♡を送ると、たいがいはバズる。その勝率は90%を超えている。

 それはSNSだけにとどまらず、WEB小説にもいえることなのだ。

 みんなが俺の行動に注目している。

 なんなら、世界を掌握しているとも言えるだろう。

 そこに喜びを感じる。

 俺が世界を動かしている。

 その快感は計り知れないもの。

 そんな俺は今日も高校の外ベンチで食事をしながら、WEB小説を漁る。

 バズる、と言ってもなんでもかんでもバズるわけではない。

 それに見合うだけの作品でなければ、バズるはずもないのだ。

 だからこうして、俺は自己研鑽の日々を送っている。

 友達を作る余裕すらない。

 まあ、広告収入で稼いでいるし。これが仕事と言っても差し支えないだろう。

 そんな昼下がり。

「あんた、何しているの?」

「え?」

 俺は後ろを振り返ると、そこにはクラスいちのギャルである星野ほしの雲母きららが立っていた。

「なにやっているっすか? 先輩」

 そこに妹系小動物の天野あまの心桜こころがやってきた。

「キララ、遊んでないで手伝ってよ」

 さらに男装令嬢の鳴神なるかみゆうがふくれっ面を浮かべている。

「あ。あんた、もしかして《めざしチョコ》さん?」

 星野は手を伸ばし、俺のスマホを奪う。

「あ、いや……そうだけど」

「本当! なら、わたしのイン〇タにいいねしてよ!」

「僕の動画にもコメントちょうだい!」

「私のWEB小説も読んで!」

 三人のS級美少女に囲まれて、たじたじになる。

 みな、アイドル級に可愛いからな。

「見て」「書いて」「読んで」


「「「ねぇ。誰を選ぶの!?」」」

「俺は、君たちを詳しく知らない」

 頭を抱えるようにして、俺は逃げ出す。

 追ってくる三人。


 今思えば、これが俺のモテ期だったのだろう。

 今は恋人になった彼女も、このときがなれそめになるとは思いもしなかった。

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フォローされたら爆売れすると話題の俺のアカウントが、S級美少女たちに狙われています。 夕日ゆうや @PT03wing

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