第4ー8話

部屋を開ける前には確認しないといけない。


妹が居るかも知れないからだ。


よし、居ないな


ーー


「あ、優さん」


「宮さん」


宮さん・・・やっぱり可愛い。これで会うのが8回目だ。


ネットで知り合った、


「今回の話も最高でした!!まず、最初のヒロ君が」


そして俺のファンだ。


自分の作品を凄く褒めてくれる。


「それで、ヒロ君があの時」


【お兄ちゃんが、小説、いや無理でしょう】


妹の言葉を宮さんが話してくれているのに思い出す。


忘れないと、


「そうだ、話に夢中になりかけてて、忘れてました!!あ・・・あの、私受かりました!」


「本当に??」


「はい!!」


「よかったです。本当に良かった。最初に声優が私が一番だと心から思える作品で」


「俺も嬉しいよ。宮さんみたいに声がすごく可愛い子なら間違いなしだよ」


「・・・ありがとうございます!!」



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5話


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母視点


手のあの感じがまだ私の手に残ってる・・・


「お母さん・・・ただいま」


私は、どうすれば良かったの・・・注意しないといけないのが母親でしょ?それなのに・・・


家族も学校同様に追い詰められている。


優が家から追い出されたと世間に発表した訳ではないが、どこからか情報を集めたネット人達によって非難をされてしまった。


「・・・お母さん」


ーーー


妹視点


お母さんやっぱり今日も返事をしてくれなかった。


お兄ちゃんは学校から出ないし・・・


【先輩のこと、虐めて最低だよね】


お兄ちゃん・・・大切な人に裏切られるのって・・・孤独になるって、こんなにも辛いんだね。


妹は後悔した。だけど、今更後悔しても遅かった。優は既に妹への優しさを心の底に置いて、次の目標に向かって居た。


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6話

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少しだけ、時間に余裕が出来た。


今はとりあえず様子を見てって感じかな。


とりあえず連絡見てみようかな・・・やっぱり辞めておこう。


怖いし・・・


ーー


過去編1


優は小さい頃は、何でも人に話しかける子どもだった。


「君、どうして泣いてるの?」


「・・・私・・・?」


そして、泣いている子どもをほっとけないタイプの人でもある。


「・・・クラスの子にバカって言われて。テストで0点取っただけなのに」


「・・・そうなんだ」


優は思う。この世にバカな人なんて居ない。人にはそれぞれの特徴があると小学2年生までの経験でそう考えて居た。


「・・・何?」


そして、優は思ったのだ。服が優の好きなアニメだと


「ねぇ、そのアニメ好きなの?」


「・・・うん」


そして、二人はアニメの話をした。春は泣き止み、後にまたテストでバカにされているところを発見したが、優がアニメ好きにバカは居ないと怒ってそれから二人の関係は続いた。高校2年生までは


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7話

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春視点


「・・・本当にもう、決まっちゃったんだ」


優の書いた漫画、小説はありえないくらい早く決定した。


しかも、


「すご・・・過ぎるよ」

1クールじゃなくて、オール。つまり一年以上やることも決定している。


それくらいの圧倒的な人気を誇っている。


【いつか・・・】


いつか、


「一緒にアニメを作ろう・・・って約束したのに・・・っ!!」


記事を読んでいるうちに二人の写真が見つかる。


「・・・誰・・・この女」


ーーーー


優視点


小さい頃、何でアニメのキャラって年齢が成長しないんだろうと思っていた。


そして、初めて見た時はいずれか成長して終わるものだと思っていた。


けど、アニメにはそれぞれの終わりがあり、長期アニメは同じ年で止まっていることが多い。何回も年明けの話はしているのに・・・


・・・


作れるんだ、本当に。




優の作るアニメは、長期的な放送が決まっており、リアルの時間とアニメの時間がリンクしている。そのため、リアルで一年経つと、アニメも一年達キャラが成長するようになっている。


「・・・」

冤罪になってからバイトをたくさんやって、動画活動とか、宣伝とか、めちゃくちゃやって、小説を書き始めてから作って作っての毎日・・・楽しいよ。


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8話

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今日は桜さんと会う日だ。


「・・・お、お兄ちゃん」


「・・・」


妹が居た。階段から降りた所だったから油断してしまった。


「お兄ちゃん・・・私」


「悪い、今急いでるから」


「まっ、」


優は妹の手を無視する。

ーーーー


「優、来てくれてありがとうね」


「いえ、俺も会いたかったですから」


桜さんは、動画の方で関わっている。


前に何度もコラボをしてくれた。


今日は動画の相談と、新しい企画についての話だった。


ーーー


学校


「・・・はぁー」「はい、本当にこれからは我々も注意して」


学校は、鳴り止まない苦情と迷惑電話に困っている。


授業をしている場合でもない。


ただでさえ、生徒は冤罪事件で病んでいる上にストーカーなども現れているのにだ。


「・・・優にまだ、連絡がつかないのか」

元優の学年主任の先生は優に連絡して、世間にこのようなことをやめるように言って貰おうとしているが全く連絡が付かない。



もう先生も辞めるし、体調を崩して学校に来ないし・・・


地獄のようだった。



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2024年10月25日 08:09 毎日 08:09

【08:09】冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった。 エアコン @eaconnn

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