第58話 新体制スタート

 翌日。景気付けにと僕たちは皆で朝食を食べる。そこで世間話をし、最後には互いの健闘を祈りつつ別れた。


 ちなみに朝食の片付けは僕とカンナでやることにした。アナさんとデイジーの方が覚えることが多いためある意味当然ではあるが。


 アナさんとデイジーは律儀にも僕たちにお礼を言った後、開店前の最終確認を始めた。


 そのやりとりだけでも忙しそうなのが伝わってくる。

 思わずこちらまで緊張してしまいそうな雰囲気だが、そんな中でもデイジーはかなり要領が良いのか、特に問題なくこなせている。


 あとはこれがお客さんが入っても変わらずできるかだが……そこはあのアナさんが面倒を見ている以上なんら問題はないか。


 ということで彼女らの邪魔はしないように僕とカンナは片付けを終えるとすぐに204号室へと向かった。

 そこでこちらもいくつかの物事を教えたり、復習をしたりする。

 そんなこんなで時間を過ごすことおよそ数十分。いよいよ『POPPY』の開店時間となった。


 ちなみに本日カンナにしてもらうことは施術の見学と僕の補助である。


 補助といってもマッサージ中になにかやる訳ではなく、どちらかというとマッサージ前後の施術台の準備や掃除、オイル残量の管理などが主になる。

 それ以外はとにかく見学だ。正直かなり退屈だと思うが、そこは今後のためだと我慢してもらう他ない。


 ちなみにこの日のお客さんは幸いにも全員が常連さん。そのため、全員にカンナを紹介しつつ、見学しても問題ないか伝えることが可能であった。


 結果的に皆快く承諾してくれたため、一連の流れをカンナに把握してもらうことができた。


 常連さんの中には時折カンナに話しかけるお客さんもいた。カンナは緊張しつつも楽しげに会話できていた。

 その様子から初見では感じられなかった彼女のコミュ力の高さを再認識することができた。


 この日も宿泊客はいなかったため、閉店後も皆で食事を取る。そこで互いの状況を報告した。


 どうやらまごころの方はかなりスムーズにいったよう。デイジーの優秀さに感嘆しつつ、これからアナさんも楽になるなと少しホッとした。


 こうして何事もなく無事に1日が終了。その日以降も同様に忙しい日々を過ごし──気がつけば新体制開始から1週間が経過した。


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2025/1/6 新作投稿しました!


『世界一の鍛冶屋を目指して〜不遇スキル『鍛冶』と前世の知識の組み合わせが最強だった件〜』


という異世界成り上がりものです。よろしくお願いします!

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