第2話二人との出会い

次の日、俺は学校に行っている途中で何かを探しているように思えた。無視しようかなと思っていたけれど下にピアスが落ちてあったので、



「すいません。もしかしてこれを探してをいるのですか?」


などと言うと彼女はとても嬉しそうにそれを手に取って、


「ありがとうございます!私は双葉楓と申します!大学一年生です!良かったらアドレス交換しませんか?」

「いえいえ、たいそうな事はしていないので俺は急いでるのでこれで」


そんな事行って走って大学に行った。本当はあんな美人と話す機会なんて...昨日までは無かったけど、今は凪さんがいるからな。でもあの二人の性格は本当は逆では無いか?だって凪さんはなんで言うか...後輩感がすごいよなー。でもさっきの子は年上って言われてても全然分からないくらい美しかったなぁ。





講義が終わるともう授業がないからどうしようか考えながら歩いていると告白シーンを目撃してしまった。あの子は確かこの大学のマドンナ橘イリナさんだっけ。ロシア人と日本人の親から産まれた、その美貌は誰が見ても美しく思えてしまう。けれど彼女はクールであまり周りと話すことがないので氷の女帝とも呼ばれている。


「僕と付き合ってください!」

「ごめんなさい。私はあなたの事知らないから」

「ならこれから知ってもらったらいいからさぁ。ね?ね?ね?」


彼の方が彼女の腕を掴んで強引に引っ張っており、見るに耐えないので、


「彼女が嫌がっているのが分からないのか?」

「誰なんだ?告白の邪魔をしないでくれよ」


と言ってくるといきなり顔にグーパンチが飛んできたからかわした。相手は腹が立ったのかそのまま殴りかかって来たから全てかわした。

相手は諦めたのか帰って行った。すると彼女が、


「ありがとうございます。私は橘イリナです。先ほどは本当にありがとうございます」

「いえいえこちらこそすみません。告白現場を見てしまって」



と言うと彼女はクスクスを笑っていた。とても笑い方も美しい。彼女は髪はとても長くて、発育も良くてそりゃ告白されるなーと思っていると、



「もしよければお茶でもしませんか?助けてくれたお礼に。代金はもちろん私が支払いますので」


嬉しいお誘いだ。この後バイトの予定もなく、家に帰ろうと思っていたので行こうと思っていた。実際こんなに美人な人に誘われるのはもうないだろうと思ったし。


「分かりました。是非その好意に甘えさせてもらいます。」

「あと私の事はイリナと呼んでください。多分同じ学部で同い年ですよね?恭弥くん?敬語もなしでいいよ。こっちもそうさせてもらうから」


俺の名前覚えてくれたのか。これはとても嬉しいなぁ。


「分かった。じゃあ改めてよろしくイリナ、それでどこでお茶するの?」

「私が働いている喫茶店があるの。そこでコーヒーとか飲みながらお話しよう」


と言われたので二人でそこまで歩いて店に着くと、


「いらっしゃいませー!お二人でよろしかったですか?ていうかイリナ先輩じゃないですか?その人は.,.あー!なんで先輩がその人といるのですか!」


この子は朝の女性か。美人なのに性格は後輩っぽそう。顔と性格が全然合っていない。


「この人はさっき私が困っているところを助けてもらったのよ」

「私も今日の朝ピアス落とした時に助けてもらいました。でもその時は私お誘いしたのに断られてしまって。どうしてなんですか?私の誘いは断って先輩の誘いは断らないとは」


彼女は結構怒っているな。まぁでも誘われてないよ?だってアドレス交換しか言われてないし。そうだよね?!


「今朝アドレス交換しか言われて無いし、講義に遅れるといけないから」

「あれそうでしたっけ?まぁいいですあなたの名前を教えてください!それとアドレス交換をしてください。あと私ももうバイト終わりますから。一緒にお供していいですか?」


彼女はそういうと、イリナの方を向くと笑いながら、


「ええいいわよ。人が増えた方が楽しいし。あと恭弥は本当に優しいね。ピアスを見つけたり暴力から守ってくれたり」

「そんな事ないですよ」


と話しているうちに席を案内させられて、軽く二人で雑談していると、彼女がやって来て、


「お待たせしました〜。私は双葉楓です!今朝はありがとうございます」

「いえいえどういたしまして」


と言われて少し照れる。


「私は一つ年がしたなので呼び捨てで構いませんよ。私も出来れば呼び捨てがいいのですが」

「別に構わないよ。じゃあ楓よろしく」

「うん!恭弥よろしくね」


そして3人で雑談した。最近告白がしつこいというイリナの話。ファッションについての話。まぁ色々今日はあったけど楽しい一日だった。


「じゃあこれで。二人とも今日はありがとう」

「こちらこそ恭弥ありがとう!」

「恭弥くん、また今度も誘うので是非また遊びましょうね」

「分かったよ、バイバイ」


手を振って二人と別れた。あんなに美人な二人と話す機会なんて今までの俺ならないのになぁ。ぶらぶらしながら街を歩いていると、メールが届いた。


『今日の夜、昨日のお店で夜9時からお酒飲まない?』


と来ていたので帰ろうか行こうか迷った挙句行く事に決めた。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ハロウィンの仮装した女性声かけられたら、仲良くなりました?! ココア @kokoa08172586

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ