ドラゴン

 「こ、こんにちは!いい天気ですね!」

俺はとりあえず当たり障りのないコミュニュケーションをドラゴンに対してとることにした。お、こっちの方をドラゴンが見た!


「こんにちは。いい天気だな」

ドラゴンが話した!俺は10mもあるドラゴンが話をしたことに、ドラゴンは言葉を話せるということをわかっていながら、感動した。


ドラゴンの声は中性的な声だ。流暢な話し方で聞きやすい。

俺は、人間姿のドラゴンを見てみたい。

だから提案してみる。

「人間の姿になれないっすか?」 

「…」

ドラゴンは何も答えない。何も答えないってことは嫌なんだろう。無理強いするのは良くないから謝ろうと思うと、

「恥ずかしいのだ。」

ドラゴンは小さな声でそう答えた。


恥ずかしいいいいい!????

絶対かわいい娘だよな?

人間姿を見せたくないって多分そういうことだろう。

「人間姿になることはあるんすか?」

俺はとりあえず会話をしてみる。

「ときどきあるぞ。」

「そうなんすね。どんなときっすか?」

「人間姿になるときもあるのだ。場所、環境、状況は毎日少しずつ変わっていく。ところがある日突然一気に変わることもある。だからこそ世の中というのは面白く、大変であるのだ。だから何か事が起こったとき、人間になることがあるぞ。」

「なんとか人間姿になってくれないっすか?」

「…勝負だ。」

ドラゴンがなにか勝負を挑んでくるらしい。

「なんの勝負っすか?」

「魔力量対決だ!魔力を外に放出してみろ!まずは我からだぞ!」

そう言って、ドラゴンは魔力(目には見えない)を出し始めた。

突然、木が揺れだした!あれ?雨も降ってきたぞ!

「もうやめてくださいよ」

俺は流石に止めた。このまま続けてたらやばかった気がする。

「次はそなたの番だぞ?」

「はーい」

負けだ負けだと思いながらも一応やってみる。

体から魔力を放出っと。

「…」

その瞬間、ドラゴンは俺から3歩距離を取った。

雷がなり、空気が揺れている。一瞬で、自分が何をしたのかを理解して止めた。

「…」

ドラゴンは俺が魔力を止めたあともしばらく震えていた。

「負けだ!」

そう言って、人間形態に変身した。


その存在は、神々しく気高さを持っていた。

思わず見惚れてしまうほどの存在。本を書いた人も、多分そうだったに違いない。


だが、だが一つ言わせてくれ。



「イケメンじゃないかー!!!」




これほどのイケメンは存在するのかと思えるほど完成されたようなイケメン。イケメンの中のイケメン。


俺は、ドラゴンの神々しさによる感動と、イケメンだったという理由がごちゃまぜになって複雑な心境だった。

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異世界ではモテモテになりたい tatam7 @tatata725

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