第62話 佐伯鷹臣 2
──二〇一六年十月、群馬
「くそっ! どこからだ!? どこから狂ったんだ!?」
「あぁあぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
腹の底、心の底からの叫びが整った室内に響き渡り、「くそ……
「そうだ……
「くそ……やはり来たか……」
──同時刻、コレクションルーム前
以前から周囲の住民には「黒い箱」と揶揄され、
その呪わしき家の前──
「無理を聞いてくれてありがとうございます」
「いえ、背後で蠢く
「はい」
「……本当に君一人なら扉を開けて貰えるの?」
「おそらくは。もちろんそんな気がするだけなので、無理なら強行突破でお願いします。それよりも
「今更? まあ問題行動ではあるけれど……私たち公安が追いかけている事案にも関係しているからね。君は気にせず好きに動いて。ああそれと、
「本当にありがとうございます。
「最初から私に相談していればよかったのにね?」
「それは……すみません」
「冗談よ。あの段階で相談されても私は動けなかった。
「教団が独自に製造している違法薬物
「それはまだ分からない。まあでも、
「
「ええ。
「その後でその悪魔──教団関係者が
「ええ。しかもそいつは
「捜査記録を改竄したとなれば警察内部の人間……ですね。かといって
「そうなのよね。思ったより根が深そうだわ。まあでも、ひとまずは
「はい。僕も出来るだけ
「ああそれと、前にも言ったけれど……私が公安だということは秘密よ?
「分かっていますよ。でもなんで僕には明かしたんですか?」
「それは……」
「君の愛撫がとっても上手だったからつい……」と、冗談に聞こえないトーンで
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