第41話 幕間 3
「な、なんだよ。そんなに見つめるなよ……」
そんな見つめられて焦る私に、
「え? な、何にだ?」
「
確かに私もこの伽藍胴殺人事件には、少なからず違和感を覚えている。それが何なのかははっきり分からないが……
「なるほど。やはり情報量が多すぎて整理出来ていないようですね。中not悪魔の日記や
「なんだ? どういうことだ?」
「この事件にはまだ
「真実……? ……悪い
私のその問いかけに、
「まあ……とりあえずは
「なんでだよ。何か知っているなら勿体ぶらずに教えろよ」
「いやいや、今はそのタイミングではない。気付いていますか?
ぞくり──
と、私の背中を冷たいものが伝う。暑くはないはずなのだが、体から汗が吹き出し、言いようのない不安が私を襲う。この先の
「この状態で
「二人いますよ?
それと同時──
かいて……
わたしと
──と、
ひたり──と、冷たい
「お、おい! なんだよこれ! 腕が勝手に!」
私の腕が、冷たい
「大丈夫ですよ
ぐぐぐ──と、私の腕が勝手に動く。折り畳んだノートパソコンをかちりと開き、ディスプレイをゆっくり持ち上げる。開いても勝手に電源が入らないように設定しているので、ディスプレイは真っ暗なのだが……
真っ暗なディスプレイを見た私の口からは「ひぃ……」と、掠れた声が漏れる。
いるのだ。
あいつが。
じっとりと湿った視線で私を見てくる──
美しい顔に
だがその
目が合った。
心の底から震えてしまうほどの、悪意のある笑顔。
怖い。
怖い怖い怖い。
これほど悪意のある笑顔があるだろうか。これほど人を不快にし、恐怖に陥れる笑顔があるだろうか──
狼狽する私に
ますますもって訳が分からず、やはり私は「どういう意味だ」と、
「前に『空っぽの私たち』という推理小説をこの病室に置いたのは僕です。それと僕が胸を抑えて苦しんでいたという
そこまで言うと
「……ああ、すみません
「……殺されるってなんだよ。 誰に殺されるっていうんだ?」
「
そう言った
「ここまで
言いながら
「これは
その言葉に、思わず私は「は?」と声を出してしまった。
「訳が分かりませんよね? 意味が分かりませんよね? ですが背後の
そう言って
だが
「そろそろ情報も出揃った頃合いでしょう。すでに不自然さに気付かれたことかと思います。そう、不自然がこの物語を読み解く鍵です。物語も残すところ
ひたり──
と、私の首筋を締めるように、
──幕間(了)
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