第30話 香 6
日に日に増していく乾きに耐えられなくなった
乾く
乾く乾く乾く
乾く
気付けば
もはや服を脱いでしまえば、目を逸らしたくなるような痣や傷が体には溢れていた。そんな状態へとなった
ある日思い立ったように東京へと向かう。
だが今のぼろぼろの状態の自分を
相変わらず
たまらなかった。たまらなく興奮した。男を部屋に誘い込む
だが実はこのタイミング、
カウンターで一人、ロックグラスを傾ける男に話しかける
それでも尚、圧倒的に美しく儚げな少女のような
ああそうか──
私は──
私は
伝えなきゃ。
そのまま外に飛び出し、半狂乱で
だが
「私だよ!
放心した。お金を払って解放はされたが、その場から動くことは出来なかった。「誰ですか?」の言葉が
そんなぼろぼろの
あなたはとても整った容姿をしていますね。涙を流すのはもったいないですよ──
と。
その後、
消えることとなる。
──香(了)
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