第3話 奥戸雪人 3
これを聞いた瞬間、
容疑者は被害者である女性の元交際相手とその弟。報道されている情報では
あろうことか
その際
その後
その傍らには
気付けば
涙と嗚咽を漏らし、
気付けば時間が飛んでいた。求め合っている間は他のことなどはどうでもよく、ふと見た時計は自宅に戻ってきてから三時間も経過していた。
「そう言えばあの時……」
「あれがポルターガイストってやつか……?」
当時の不思議な現象を思い出し、
ギィ──
廊下とキッチンを繋ぐ扉が、ゆっくりと開いていく。開いた扉の先はただの廊下のはずなのだが……
まるで異界へと通じているかのように、寒々しい空気が漏れ出ている。
見てはだめだ。見ていてはだめだ。頭ではそう分かっているのだが、ゆっくりと開かれていく扉の隙間から、目を離すことが出来ない。呼吸することも忘れ、冷や汗が止まらない。
どれぐらい見つめていただろうか──開かれた扉が作り出す、
気付けば
黒く長い髪に、血の気のない華奢で真っ白な肌。両胸の膨らみや局部の形状から女性だと思われる
「あああっ! ごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃぃぃぃぃぃぃっ!! こ、来ないで! 来ないでくださいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」
そんな涙ながらの懇願も虚しく
眼前に迫った
仄白く生気のない指が
「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! お! 俺がなにしたっていうんだ! はな! 離してぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
そんな
そんな半狂乱で喚く
「い! 今! そこ! そこに! 女の人が!! いや違う違う! 幽霊! そう幽霊がい──」
「大丈夫ですよ」と、
「血なんて出ていませんよ?」
そう
自身の腕を見つめ、困惑する
「
そう言って
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