4月5日 懐かしいブランコ

 みなさま、こんばんは。

 生きています、宮草です。


 1日に、公園へ行って凧揚げをした話を書きました。


 実はあの公園、久しく行っていなかった場所なんですよね。近所にあるのですが、通勤の道からは外れていまして、用もないので通り過ぎる機会もなかったのです。


 久し振りに行って、子どもの頃はよく遊んだなと懐かしくなりました。広場、こんなに小さかったかなぁ。私が大きくなったから、小さく感じるのでしょうね。遊具はブランコだけがぽつんと残されていました。ちょっと漕いで遊んでみる。


 小学生の頃はね、よく近所の子どもたちと一緒に遊んでいたんですよ。兄がリーダー的存在でね。近所の悪ガキ五、六人で徒党を組んでいました。私もなんだかんだ、兄について行ってたんですよね。


 同級生の女の子たちとも遊んでいたとは思うけど、兄の友だちと遊んでいた記憶のほうが残っています。こっちのほうが、その……、刺激的だったので。近所の女の子たちから、私は「暴力団のお茶汲み」とからかわれてたな。


 テレビゲームもあって、家で遊ぶことも多かったですが、外へもよく遊びに行きました。もうね、悪ガキの集まりだから、悪いことしかしてなかった気がする。


 どちらかが泣くまで終わらない殴り合いゲームとか。えぇ、私も強制参加で泣かされましたよ……。


 捕まったらリアルに縄で縛られて宙づりにされるケイドロとか。えぇ、私も捕まって宙づりにされましたよ……。


 近所にあるハチの巣に石をぶつけてダッシュで逃げるとか。これはもうリアルに危ない……。


 公園にも行って、遊んでいたな。昔は、いろんな遊具が置いてあったんですよ。思い出深いのが、ゴンドラ型のブランコ。箱ブランコって言うらしいです。四人ほど乗れる大きなゴンドラの形をしたブランコですね。私たちの間では、「恐怖のブランコ」と呼ばれていました。


 遊び方はいたってデンジャラス。(注:以下はすべて間違った使用方法です。)みんなで乗って遊ぶんですけど、一人が端に乗って、立ちこぎをします。「一回転させるぞー!」という勢いで、どんどんスピードをつけていきます。乗っている子どもたちは、背中側にある手すりに腕をからめていないと、飛ばされる危険があるので必死です。


 そして、ここからが恐怖の始まり……。


 「爆弾、投下ー!」。叫びとともに、外で待機している子どもたちが、水風船を全力で頭上に投げてきます。激しく揺れるブランコの中、頭上から水風船爆弾が落下してきます。当たるか当たらないかは、もはや運次第です。


 さらに、極めつけが……。


 「槍、突撃ー!」。外で待機している子どもの手には、長い竹の棒。この攻撃が始まると知ると、乗っているほうは足を上げます。椅子の下の空いているスペースに、外から竹を突き刺すのです。竹の貫通しているブランコは、地面に竹がつっかえることで、ガッ!と大きな衝撃とともに急傾斜で動きを止めます。


 …………。


 これはもう、今だから書けるけど、公開禁止レベルの危険な遊びですね。よくオレたちはあんなことをして生きてこられたな……。


 実際、箱ブランコは事故が多発したため、現在ではほとんどの公園で撤去されたそうです。まぁ、こんな遊び方する悪ガキがいるから、撤去されたんだな。


 懐かしさに浸りながら、今はさびれた公園を見ておりました。今じゃあ、子どもたちもほとんど遊びに来ないのかな。あれだけ遊んでいた昔の仲間も、兄が中学生に入ったらパッタリ遊ばなくなってしまって。今はどうしているのやら。


 そんな感傷に浸りながら、一人で凧揚げをしていたんですね。もう私は、あの時のような無鉄砲な子どもではないので。分別のある大人なので。


 これからは、分別のある悪いことをしていきたいですね。





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