4月3日 誤発信
みなさま、こんばんは。
生きています、宮草です。
お仕事中のこと。別の部署の方が訪ねてきました。
「○○さん(私の先輩さん)、いますか?」
「先輩さんは、もう帰られたんですよ」
「あらら。実は、そちらにある食器をいくつか、別の施設へ持って行くと話をしてまして。いいですかね?」
「いいと思いますよ。どうぞどうぞ」
介護施設で食事を作るお仕事をしていますが、なんだかんだで食器洗浄機が使えず、いまだにうちの職場はお弁当パックに食材を詰めています。食器はまだしばらく使いそうにないので、少しくらいなら持っていって良いでしょう。話も前からしていたみたいだし。
「それじゃあ、これだけもらいますね。先輩さんにも、連絡しておいてください」
「わかりました」
とは言ったものの、先輩さんと私、しばらく会わないんだよな。メモに残しておけばいいかな。まぁ、なにか手違いがあったら困るし、電話しておくか。
職場の電話機で、先輩さんの携帯に連絡してみます。しかし、出ません。
うーん、緊急じゃないから、メールでもいいんだけど。先輩さんのLINE知らないからな。携帯番号は知っているから、メッセージは送れるかな。でも、あれ? メッセージってどうやって送るんだ?
自分のスマホをポチポチといじってみます。こういう時、実験として、本人ではなくどうでもいい人の番号であれこれ押してみる悪い癖。で、間違って電話しちゃうという……。
「あっ!? これを押したら電話しちゃうのか」
結局、スマホでは送らず、のちに先輩さんから折り返し電話が来て、要件を伝えることができました。
今日の仕事も順調に終わり、帰る時間です。着替えていると、不意にスマホが鳴りだしました。
「あっ……、さっき間違えて電話しちゃった人からだ……」
この人、前の職場の先輩さんなんですよね。しまった。しばらく連絡も取ってないのに、急に電話が来たからビックリさせちゃったかな。
とりあえず電話はスルーして、帰ってからSNSでメッセージを送りました。「すみません、間違えました」と。でもなんかそれだけだと申し訳ないので、「久し振りにお会いしませんか?」と誘ってみる。「カフェでランチなんてどうでしょう?」。
前の先輩さん、良い人なんですけどね。この方とお会いすると、高確率でトラブルに遭うので、身構えてしまいます。一番の思い出が……。
「ここのカフェのランチ、ボリュームあって美味しかったです。ごちそうさまです」
「宮草さん、デザートもあるんだって。食べない?」
「いいですね。「本日のデザート」なんでしょう?」
「店員さん、すみません。「本日のデザート」なんですか?」
「サツマイモとチーズのケーキになります」
「じゃあ、ふたつください」
……モグモグ。
「ふぅ、ケーキも美味しかったです。お腹いっぱいですね」
「ねぇ、宮草さん?」
「どうしました、先輩?」
「私、チーズ嫌いなの。私の分も食べてくれるかしら?」
「……!?」
「店員さんに尋ねてから、いらないって言いにくいじゃない?」
「……ほう」
サツマイモってお腹に来るんですよね。ボリュームたっぷりなランチに、ケーキふたつは本当にキツかった。
あれ以来、前の先輩さんとはお出かけしていないのですが。久し振りに会いたいなって。今度は、前に私が行った、オススメカフェを案内する予定です。
返事が来たら、なにがあってもいいように身構えておかないとな……。
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