4月

4月1日 凧揚げしたよ(エイプリルネタ有)

 みなさま、こんばんは。

 生きています、宮草です。


 凧揚げをしました。楽しかったです。


(正しい凧揚げの様子は、近況ノートに載せています。写真もあり。)

https://kakuyomu.jp/users/miyakusa/news/16818093074754323576


 以下は、エイプリルフィクションエッセイです↓読まなくても読まなくてもOK。




  *** *** *** ***




『凧揚げから始まる純愛物語ラブストーリー~凧揚げしていただけなのに、イケメンたちから溺愛されて困っています~』


 私の名前は、宮草はつか。昔は中学二年生。


 今日は給料おこづかいで買った凧を揚げに、近所の公園にやってきたの。


 凧揚げをすればヒーローになれるんだって。ヒーローになれたら、私もイケメンたちからちやほやされるってことだよね。(独自理論。)


「上手く凧揚げができるようになるまで、ここで練習をするんだ。いつか、街中にある大きな公園で凧揚げをして、戦慄なデビューを果たすんだから!」


 ※(誤):戦慄なデビュー。(正):鮮烈なデビュー。

 恐怖の大魔凧で街中の人々を恐れおののかせるのかな?


「まずは凧を組み立てて、さっそく飛ばしてみるよ!」


 いけっ! ……バタン(落下)。


 そりゃ! ……ストン(落下)。


 えりゃ! ……ポトン(落下)。


「おかしいなー、揚がらないよ。この凧、ダメなんじゃないの? 購入サイトで低評価つけるぞ」

「お困りのようだね、お嬢さん」


 突然聞こえた謎の声に、私は振り返った。


「あなたは、いったい!?」


 公園にやってきたのは、白馬に乗った男性。白馬なんて、暴れん○将軍でしか見たことないんだけど。


「おれの名前は青空あおぞらカイト。人呼んで、凧揚げ王子さ」

「凧揚げ王子!?」


 凧揚げ王子は、馬から颯爽と降りて、私へ近づいてきた。純白の衣装に身を包んで、頭には金の冠を載せている。顔はすごくイケメンで、本当に王子様みたい。


「凧を揚げたいのに、上手く揚げられないみたいだね?」


 凧揚げ王子はすっと手を伸ばし、私のあごに細い指をそえて、軽くあげた。あごクイで至近距離にイケメンの顔面がある中、私はドキドキしながら返事をする。


「そ、そうなの。この凧、上手く揚がらなくて。作りが悪いのかなって」

「見せてみて?」


 凧揚げ王子は私の凧を手に取ると、くるくると回しながら調べ始めた。


「ど、どうかな?」

「大丈夫。凧は悪くないよ」

「そうなの? じゃあ、なにが悪いのかな?」

「君が悪いだけさ」


 ……こいつ、思いのほか辛辣だな。


「ちょっと失礼」

「きゃっ!?」


 不意に、凧揚げ王子は私の背後に回り込み、私の両手をつかんだ。背中から覆いかぶさるようになって、手の甲から温かい感触が伝わってくる。私の心臓は、もうドキドキではじけちゃいそう。


「一人で凧を揚げる場合は、利き手に糸を持って、反対の手で凧と糸の結び目辺りを持つんだ。風がよく吹いている時は、手を放すだけで凧は飛び上がるけど、風が弱い時は、助走をつけて凧を飛ばすよ」


 説明を始めた凧揚げ王子は、私の手をつかんだまま、後ろへ高速で走り出した。


「ちょっ、ちょっと、速くない!?」

「風をつかむまで走るんだ。百メートルを九秒台で走るんだ!」

「世界記録を乗り越える速さ!?」


 全力疾走させられ、最終的に凧揚げ王子に高速で引きずられながらも、説明は続く。


「風をつかんだら、凧を持っている手を放すんだ。そして、凧糸をどんどん伸ばしていく。高度があがるほど風は強くなるから、ある程度揚がったら凧が安定するよ」


 散々振り回され、私はゼィゼィと膝を折って疲れ果てている中でも、凧揚げ王子は私の手を離さずに凧を揚げ続ける。 


「ほら、見て? 高く揚がったよ」


 耳もとでささやく声を受け、私は空を見上げた。青空の中で、私の凧が空高くを泳ぐように飛んでいる。糸を持つ手からは、風の感触が伝わってくる。


「これが、凧揚げ……!?」


 自分は地面にいるままなのに、空を飛ぶ凧を見ていると、まるで鳥になったみたい。感じる風の強さが心地よい。凧揚げって、こんなに面白いんだ!


 ――こうして、私と凧揚げ王子は凧揚げを楽しみ、あっという間に時間が過ぎてしまった。


「今日はありがとう、凧揚げ王子。おかげで、凧の面白さに気づけたよ」

「凧には奥深い世界がある。一時間やそこらで凧を完全に理解したという見解はおこがましいよ」


 ……こいつ、やっぱり思いのほか辛辣だよな。


「あと、おれのことはカイトと呼んでほしい。また、君と凧揚げをしたいからね」

「えっ……」


 カイト君は、真正面からわたしの両手を握った。さっきまで背後にばかりいたけど、真正面でイケメンと向かい合うと、ドキドキが加速する。まるで、風に乗った凧が、どんどんと上空へ揚がっていくみたいに……。


「カ、カイト君……っ!」


 この気持ちを、速く伝えたい。私は彼の手を握り返し、震える唇を動かした。


「ちょっと待ったぁぁぁあああああーーーっ!!」


 その時、謎の雄叫びが、公園に響く。

 私とカイト君は、ハッと振り返った。そこにいたのは、リーゼント頭にバットを持ったガラの悪そうな集団。


「な、なに!? あの人たち!?」

「凧揚げギャングだ」

「凧揚げギャング!?」


 ……そんなヤツら、うちの近所にいたのか!?


「やっと会えたな、青空カイト! オレ様の名前は、風斬かぜきり 龍之助りゅうのすけ! 人呼んで、凧キラーの龍之助ドラゴンだ!!」


 一番前にいるリーダー格の男がそう名乗り、手にした凧を突きつける。


「青空カイト! オレ様のドラグーンと勝負しろ!!」


 ……ん? 純愛物語ラブストーリーのはずなんだけど、なんか違う展開になってない? なってないかな??



   《次回予告!!》


 まず言わせて! 日記に次回予告ってどういうこと!?


 突如現れた凧揚げギャングとリーダーの龍之助。


「オレ様のドラグーンで、貴様を血祭りにしてやるっ!!」


 ……凧揚げるだけでどうやって血祭りにするんだろうか?


「受けて立とう、おれのフェニックスが相手だ!」


 ……凧の名前が今どきホビー系でやたらカッコいい。


「「行くぜ! スリーツーワン、GOーーー、FLIGHT!!」」


 次週『凧揚げから始まるバトル小説~凧揚げしていただけなのに、イケメンたちが熱血バトルを始めて困っています~』


 第2話「ライバル登場! 凧合戦の始まりだ!」


「1話目からタイトルが変わっているんですけどっ!?(作者が宮草だから仕方ない……って言ったヤツは誰だっ!?)」


 近日公開……しないっ!!

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