第五話 メイド夜月爆誕!!!
-夜月桜仁。この作品の主人公。この世界での一般人からすれば相当特異な人物であるが、本人は平然を装っている。最近の悩みはミリカがついてくること。氷見子といるとついてこなくなるが、基本一人でいるためよくついてくる。
「俺の事を勝手に探るんじゃねえ」
「え?」
「…独り言だ。」
「そうですか…?」
「いいから作業続けろミリカ。」
「はーい。」
-なんで
「はーぁ…バカだりぃ…」
本当なら3日で終わるはずだったのに終わらないと言い出したせいで俺の練習する時間が減っていく。助けてくれ。
そう思ってスマホを見ると、西蔵からLINEが来ていた。
LINE-西蔵
『今どこにいるんだ?』
『裏庭だが』
『教室来れるか?』
『何の用だ』
『ちょっと構成のことでやることがあるからさ』
『まだ作業中なんだが』
『どうせサボってるだろ』
『検閲済』
『おい?』
『…まぁ、6限になったら行くわ。』
『わかった。』
「どうしたんです?」
「西蔵から呼び出し。」
「え?」
「6限になったら行くから、今日はこの時間で終わらせろ。」
「あ、はい。」
「さて…行くか。」
「ここだけやらせて欲しいです!」
「うるせぇ行こう!」
「それは違う作品です。」
「なぜわかる」
「大体こういう流れで言うのはそれぐらいしかないと思っているので」(?)
「それは原作への侮辱か?」
「違います!絶対に!」
「…。」
-やめましょうね()
「とりあえず終わったので行きましょう!」
「おう…」
コイツと喋るのマジでダルい。誰でもいいから助けろ。
いやそれは嘘だわ、西蔵か氷見子助けて。あと軽音の奴らも……と言いたいところだが、
「お、待ってたぞ夜月!」
「んで、何をやるんだ?」
「ちょっとこっち来てくれ。」
…なんか嫌な予感がする。というか文化祭の準備だから西蔵が気合い入ってて朝からいることしかない。予感じゃない、確定事項だ。
「えっと、お前メイド長になったろ?」
「なったじゃない、させられたんだ。ぶっ飛ばすぞ貴様。」
「やめい」
「で?」
「んでお前の服のサイズを知りたいからさ、ちょっと測らせてもらうぞ。」
「え」
なんで服のサイズを?ってか測る必要なくね?俺が言えば良くね?
「ちょちょちょ待て西蔵」
「え?」
「服のサイズなら別に俺がいつも着てるサイズ言えば良くね?」
「あー、その事なんだけど…」
「…?」
「センチメートルでやんないとだからさ…」
「ぶっ○すぞ貴様」
「それはホンマにダメなやーつ」
…とまあいろいろあったせいで無駄に時間を食ったが、結局服のサイズを測り終えたら帰れと言われたのでとりあえず軽音の練習にでも行くことにした。
視聴覚室
「あ、夜月。久しぶりだな。」
「おう…優太と夏奈斗…ちょっと色々あってな…」
「聞いたぜ?舞台の練習あるのに先生がクラス準備の方優先にしたって。」
「あぁ…本当になんでなのかねぇ?」
「まぁ夜月のことだ。どうせ家でも練習してるんだろ?」
「そりゃしてるけどさ…お前らと合わせ練習ができねえんだよ。」
「まぁ確かに…。」
「あ、今日なら3年の先輩もいないし合わせ練習めっちゃできるぜ?」
「本当か?ならもうさっさとやろうぜ。」
「よし!やるか!」
「…あれ、そういえば晴翔はどこだ?」
「あ」
「あ」
「え?」
「…あー…晴翔はぁ……えっとぉー……」
「?」
「あーーー………」
二人が戸惑ったような素振りをしていると、扉が開いて誰かが現れた。俺はその方向を見て驚いた。
「晴翔!?」
「……。」
「おま…何があったんだよその腕!」
「家で練習してたら…椅子から落ちて…」
「なにやってんだよー!お前がこれだとドラムいなくてやべえぞ!?」
「まぁ嘘なんだけど」
そう言って晴翔は腕のギプスを外す。
「は?」
「いやー…凄い引っかかってくれたね。」
「え何お前特に異常はないん?」
「うん。」
「おーーーーーい!!!!」
「www」
「何笑ってんだよテメェら!」
「いやw夜月ってそんな叫ぶんだなってさww」
「………。」
まぁこういうのがあるからコイツらは
「あ、でも怪我してるのは本当なんだよね。」
「は?」
「ほら、この手首のところ。」
「え?」
そう言われて晴翔の手首を見ると、切り傷が付いていた。
「えぇ………」
「まぁ、ちょっと痛むけど問題ないよ。」
「あぁ……。でも、ちゃんと治せよ?そっちの方が大事だからな。」
「ありがとう。」
「…夜月って意外とそういう面あるよな。」
「は?」
「いや、こっちの話だ。ほら、練習するぞ!」
「…」
そうしてまた練習をしたが、いまいち本調子じゃない。何度か手が止まってしまった。
「どしたのさ夜月、今日はあんまり調子よくねーのか?」
「…知らん。」
「練習してるよな?」
「どこかの誰かさんのせいで練習削られてるが練習はしてるぞ。」
「まぁ夜月のことだしなんとかなるでしょ。」
「……それなら良いんだがな。」
そうして今日も練習を終えたが、やはり本調子ではなかった。家で練習しようとしても、あまり本気になれなかった。
まぁ、とりあえず寝ればなんとかなるだろ。
そう思いながら俺は眠りについた。
-翌朝
「…ふあぁ…」
クソだるい。体がとんでもなく重い。だが学校に行かないといけない。
ふとLINEを見ると、西蔵から何かメッセージが来ていた。
『今日大事なことあるから、絶対学校来いよ!』
あれなんかもう一件来てる…?
-氷見子
『来てね♡』
-しばらくして…
教室
「お、やっと来たか夜月。」
「は?」
西蔵が俺より早く学校にいるだと?あの西蔵が?確かに今日はいつもより遅く学校に来たが、それでも西蔵は遅刻寸前の時間に来ているはずだ。というかいつもなら遅刻してる。文化祭で張り切ってるとはいえ、こんなに早く来ていることはあり得ない。
「お前…なぜこの時間にいる?」
「は?そりゃ文化祭なんだからいるさ。それに今日は大事な日だからな。」
「…」
「そんじゃ夜月、とりあえず目隠ししてくれ。」
「するわけねぇだろバカ」
「うるせぇ!お前は言ってたよな、強硬派には強硬派で行けって!お前らやっちまえ!」
「ラージャ」
「チッ…その言葉は攻撃的なやつに攻撃的になれって意味だ…間違えんじゃねぇよ!」
「痛ぇ」
「今だ!せいっ!」
「ウガッ!?」
「HAHAHA!成功だ!さぁお前ら、夜月を連行しろ!」
クソが…いつか復讐してやる
「んじゃやってみるか」
何をされてるのかはわからないが何かが当たってるのだけはわかる。はやくこの目隠しを外したい。ってかいますぐにでも外せるはずだ。この腕を抑えてる奴を吹っ飛ばせばいいだろ。
…と思ったが、やけに力が強い。たった1人の男相手にそこまでするか?
※夜月が異常なだけ
うるせぇよ
※反応すな
「おおいいじゃんこれピッタリだわw」
「何笑ってやがる」
「いやw似合いすぎてるからさwww」
「マジでお前覚悟しとけよ?」
「おうwww」
うちに水酸化ナトリウムあったかな…多分備蓄があったはずだが…。
「そういやお前の妹が倉庫に細工したって言ってたぜ(唐突)」
「ふざけんなアイツ」
「お前やっぱ俺らになんか薬品浴びせようとしてただろ?」
「バレたか」
「先に言っといて良かったぜ」
「お前のせいかよ」
殴りたい。あとこの目隠し早く外したい。まだなのか?
なんか回されたり動かされたりするが、どうやら服を脱がされていたらしく、よくわからんフリフリしたものが動くのを邪魔してる。めっちゃうざい。
「まぁこんなんで良いかな…」
「やっと終わりか」
「今日昼休みから文化祭の準備やるから、飯食い終わったら俺のとこ来てくれよな」
「ぜってぇ行かん」
「行ってあげて♡」
「おっけ(安直)」
-『♡』が付いてんのは氷見子。言わせられてるだけ。
目隠しを外されたが、本当に何もなかったかのように1日を過ごすことになった。いったいなんの服を着せられていたんだ?
そして4時間目も終わり、昼休み。氷見子に呼ばれたので速攻で行く。
-屋上
「んで、何の用だ?」
「いや、普通に2人でいたいなって思ってさ。」
「そうか。」
普通に飯食いながら文化祭のこととか軽音のことを話して終わった。
…あー…もう少し遅く食ってもよかったな。終わったらアイツのとこ行かなきゃならんし…。
「食べ終わったなら、アイツのとこ行ってあげなよ。」
「…クソめんどい。」
「行ってあげたらご褒美あげるわ」
「今すぐ行く」
「単純ね…あ、もう居ない…」
-教室
「来てやったぞ貴様」
「何故そんな罵倒する」
「さっさとしろ」
「そこにある服に着替えさせるから、全員集まったら出てきてくれ。」
「…?」
「また朝みたいに目隠しさせて着替えさせるから。」
「…。」
なんで目隠しさせんだ。
いやそりゃ俺にその服見せたくないからか。当たり前だったわ。
とはいえ着替えさせられんのは嫌だ。人に自分の身体をあまり触られたくない。好きな人は除くが。
そんなことを思いながらもいやいや目隠しをさせられ、別室で着替えさせられる。早く終わってくれ。
「んじゃ目隠し取るぞー」
「うい」
「よーく見とけよ!」
「は?」
そうか、今度は自分でこの姿を見るのか。なら鏡の前にいるのか?それとも目隠しを外されてから鏡の前に立つのか?どっちかはわからんが嫌な予感だけはわかる。
「行くぞ!」
そしてバッと目隠しが外され、電気の光を浴びる。
「眩しい」
「んじゃ横に鏡あるから、ちゃんと見ろよ?」
「…待て、なんだこの腕は。」
「鏡を見ろ!」
西蔵がそういうと、服を着せていたであろうやつが俺の身体をグイッと動かした。
「は……?」
そこに映っていたのは、メイド服を着た俺の姿だった。
「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
そう叫びながら服を破こうとする。
「無理だぜ、その服は特殊な力で固定されてんだ。外せるのはソイツだけだぞ。」
「おい貴様!今すぐこれを外せ!!」
「無理」
「いいからはずせよ!!」
「お前、一応メイド長なんだぞ?ちゃんと仕事をしろよ。」
「うるせぇぇぇぇぇ!!!!」
「暴れんな」
「ゴァッ!?」
西蔵の重い一撃がクリーンヒットした。普通に痛い。ってかこれ傷害罪だか暴行罪だかで訴えられるよな?
「さて…とりあえず教室行くぞ。」
「シャイセ!」
「ブリャーチ」
「お前それロシアだぞ」
「いいだろなんだって」
「中国じゃねぇのか?」
「作者が知らねえってさ」
※やめい
ちゃんと勉強しろ。…いややっぱ罵倒は学ばなくていいわ。前言撤回で。
そんなわけでクソ嫌な気分になりながらメイド服姿で教室に行くことになった。でもこれ大体のやつが知ってるんじゃないのか?朝着替えさせられた時全員いたはずだし…。
-教室
「さあーみんな見てみろ!これがメイド長の夜月桜仁だー!!!」
西蔵がそう叫ぶと、教室の奴らがざわざわとこちらへ寄ってくる。俺に近づくな…そして俺を見るな…!やめろ!!
「ギッ…!」
「危ねぇぞ夜月、手は出すな。」
「…クソが……」
見てる男子は大体
ちなみに氷見子はというと、俺を見た瞬間どこかへ行ってしまった。流石にキモかったのだろう、口を抑えていたからな。
「んじゃ、今からお前に指導とかしてくぞ」
「は?」
「メイド長なんだから、他のメイドを叱れるようにしとかないとだろ?あと普通に仕事多いからな。」
「マジでメイド長に推薦したやつ殴りたい」
「やめなはれ」
そうか、一応推薦したやつの中には氷見子も混じっていたな。流石に氷見子を殴るわけにはいかないが…何か制裁を加えたいところだ…。
「そうだ、
「俺はサディストだ。」
「少しはマゾれるだろ」
「新しい単語を作るな」
「なら少しはデレるだろ」
「そんなに変わんねえしそもそもとしてキャラが違う」
「合ってるだろ」
※合ってる
「おーおーふざけんなお前ら」
「お前ら?俺しかいないぞ?」
「あぁ…いや、なんでもない。」
「そか」
…どうしようか。俺は基本冷たいキャラでやってるし、他のクラスの奴らもそれで理解している。そんな奴らが今の俺を見てみろ、確実にドン引きするぜ?そしてツンデレになれと?この先の俺の人生終わるぞ?マジで死ぬぜ?
というかそもそも、男のツンデレに需要はあるのか?今は多様性がどうとかうるさいが、キャラ如きに多様性もあるのか?ないだろ。
…とりあえず、ツンデレキャラのやり方は氷見子にでも教わるかな。
-かくして、残桜学園第2学年にメイド長の夜月桜仁が誕生したのであった。
「お前もしばくぞ?」
※なぜ
夜の月に煌めく桜たち 暗霊春宵 @yazuki4396
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