お題に沿って描かれた、ジャンルもテイストもさまざまな短編集です。
あっという間に終わって不思議な余韻を残す話、その後を想像させる不思議な話、意外なオチの待ち受けている話。
どの作品も短編の楽しみに満ちていて、どんな話が飛び出すのか想像もつきません。
そのジャンルもファンタジーからコメディー、ホラー、文学指向の強い作品、などなど実に多岐にわたっています。
どの話にも不思議な味わいと雰囲気が流れており、この作品集の何とも言えない魅力になっています。
読んでいて感じるのはとにかく雰囲気の良さ。
物語の世界観に言葉がぴったりと嵌まっている感覚、オチに持っていく物語の流れと語り口の良さ。
毎度世界が違う話なのに、あっという間に作品世界に入っていくことが出来ました。
これは作者の『楽しい』を詰め込んだおもちゃ箱であり、読者を秘かに驚かそうとするびっくり箱でもあります。
ぜひ、今すぐ開けて楽しんで欲しい、そんな作品集でした。
ちなみにまだ中身は増えるようです。