世界は謎で満ちている。

夕日ゆうや

狂った世界

 図書館に俺はいた。

 本をとろうとすると、少女の手と触れる。

 運命的な出会いだったと思う。

 手にした本はその場でグズグズに溶け出し、泡のようなクリームに変わる。

「どうぞ」

 俺は少女に向けてクリームを差し出す。

 少女だったものはオオカミと変わり、クリームは骨に変わる。

 差し出された骨を嬉しそうにかじりつく男。

 びっくりしていると、本棚が消えて、緑の庭園にいた。

 庭園の中を歩き出すと、そこには灰色のクッションが落ちていた。

 誰のだろう?

 執事がそのクッションを手にすると、俺は水の中にいた。

 溺れる。

 手を必死にもがくと、先ほどの執事がクスクスと笑い出す。

 巫女が現れ、僕の世界を一変させる。

 花畑に降り立った俺を見て、一言。

 何を呟いているのかは聞き取れない。

 花束を持った俺を馬鹿にする幽霊。

 彼女は花束を紙切れに変えていく。

 それが花吹雪と分かるまで時間がかかった。

 ウエディングドレスを着た女子が俺を見上げる。

 空を飛んでいるらしい。


「酷いバグですね。これは」

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世界は謎で満ちている。 夕日ゆうや @PT03wing

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