No.2 こっち側へようこそ

神社に集合して30分が経ったが、

特にまだ何も起きていない。

ただ、不気味で、暗く、やけに涼しい。


「何も…起きねぇじゃねぇか」


「いや、このお札を剥がしたら

 何かあるかもしれないよ?」


「やめた方がいいと思います…」


「いや、剥がす!

剥がさないとここら何も起きなさそうだよ」


ダメだ、止めなきゃいけない、

それだけはダメだと体が感じている。

面白半分ではいけない!


「先輩それはっ」


ベリッ


……何も起きない、、少し安心してしまった


「何も起きないなぁ」


「もっと他のとこ行けば

何か起きんじゃ」


先輩が他の所へ行こうとした。


一瞬の出来事だった。


何か近くで大きな音がした。


頬が生温かい…手で触ってみた。


、、、血だ。


右を振り向くと、

頭が無い先輩が棒立ちしていた。


何が起きた、何があった、誰がやった。

ただこの瞬間に1つだけ分かっていたのは、


"何か"の怒りに触れたことだ。


つい思った。あぁ、終わったんだと。


そして、自分も殺されたのだろう。

目の前が暗くなっていくのが分かる…

悔いは沢山あった。それを考える暇もなく、

視界は真っ暗になった。


 ̄ ̄ ̄視界が明るい。何かが見える…

「これで分かっただろう、

神というものが。」


はっきりと見えてきた、

あの神と名乗っていたスライムだ。


「俺の魂の器になるか?

 もう一回だけ生き返らせてやろう」


なってはいけない感じがした。

しかし、そんな事よりも生きたかった、

まだ生きたい。


「、、、器になるよ」

その瞬間、

体に何かが宿っていくような感じがした。

体が軽い、魂と体が一体になるような。


目が覚めた、あの神社だ。

すると目の前には、目が無く、

背が高く、茶色く細長い"何か"が立っていた。


「お前にも見えるようになったか、

あれは神だ、恐らくお前らに怒っていたんだろうな。腕慣らし程度に殴ってみな。」


少し戸惑ってしまった、

しかし、今ならいけそうな感じもした。

思い切り殴ってみると、大きな悲鳴のようなものを叫びながら倒れた。


「このまま殴り続けろ、

そのうち死ぬだろうな」


少し罪悪感があったが、

なぜか気にせず殴っていた。殴って、殴って、殴って、殴って殴って殴って殴って、

息が切れながら、必死に殴り続けていた。

気づいた頃には、

目の前にはあいつがいなかった。

だが、だんだん目の前がクラクラしてきた…

その直前、何かが聞こえた。


「君、後で聞かせてもらうよ」


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刀と誰かと自分だけの 現代っぽい @gendaippoi

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