20.今だけは私だけのご主人様なのですから

「ご主人様、勇者一行確保しました」


リンが、早く帰りたい一心で勇者一行を得物を確保する猟犬みたいに物凄い勢で連れて来たけど、これで解体が間に合わなくて食べられなかったら街が崩壊するかもしれないな戻ったら特急で解体してくれるとこ探さないと。


「よし、それじゃ戻ろうか」


「はいなのです、お肉が楽しみなのですよ」


「ちょっと待てよ、俺達がボロボロなの何でか聞かないのかよ」


「それは魔物と戦ってボロボロになったんだろ」


「魔物とは遭遇もしてないのにボロボロになるかよ、そこにいるあんたがけしかけた猛獣のせいだよ」


「ご主人様猛獣なんて何処に居るのですか」


「さあ勇者は疲れすぎて幻覚でも見えてるんじゃないかな」


「リン休ませる為に一発入れて気絶させれば幻覚もな治るだろうしやってくると良いよ」


「はいなのです」


「おい、止めろ俺は正気だなにもなってないから止めろ…」


「終わりましたなのです」


「よし静かになったし車に乗せて帰るか、懐胎も急がないとだしな」


「はい、ご主人様急ぎですからね」


ギルマスに、連絡が取れたら良かったけど連絡取れないし急ぎで解体をお願いしないとな街が心配だ。


「あまり期待しないでなリン」


ギルドに入ると、受付に行く前に直接ギルマスの部屋まで走っていく。


「ギルマス緊急事態です今街に危険が迫ってます」



「危険が迫るってそんな危険な魔物でも出てるのかい」


「お腹を空かせたモンスターですよ、今ギルドの前で何とかなだめてますよ」


「街のなかまで危険が迫ってるなんて情報は来てないけど」


「そんな押し問答してる暇は無いんです、急いで地竜を解体して肉を手に入れたいんです」



「地竜解体を急ぎだと、それだと職員を総動員しないと今からじゃ時間がかかるよ」


「なら急ぎでお願いします、お腹が空いて肉を食べたいリンが暴れて街を壊す寸前なんですよ」


だんだん状況を理解してくれたギルマスが待機してた職員に指示を出して居るけど何処で解体するんだろな。


「ところで地竜は何処に持って行けば良いですか」


「近くに解体を専門でする建物があるから今から案内させるからそこに持って行け」


そう言った後、少し怯える職員について行きでかい倉庫みたいな場所につくと、かなりの数の人が待機していて驚いたけど指示された場所に地竜を出したので後はお願いするのみだ、リン達の元に戻ろうとしたら呼び止められ、ギルマスの所に行かないといけなくなったのでまた戻る事にしたけど何だろな。



「何ですかギルマスもう用事は無いんですけど」


「そもそも何で地竜を解体する事になった元々の依頼を忘れてるだろ報告を今ここで聞くから」


「それでしたら原因は地竜でしたよ、その原因も倒したので後は今居る冒険者が魔物を退治すればもう、問題は起きないかと思いますよ、後ですね地竜の食べられる御肉を全部着替えました貰えたらそれ以外はギルドに渡しますので好きにしてくださいね、報告は以上になりますね、それではお肉貰いに行ってきますね」


「ちょっと待て、地竜は元気な状態でお前らだけで倒したのか」


「はい、そうですよついでに言うなら強そうな魔物も移動がてら退治したので危険も少ないですよ」


「ホントに、存在自体がおかしなパーティーだな」


すごい呆れたように言ってるけど酷くないかなただの料理人に色々と無理難題を押し付けておきながら結果を報告すれば呆れられてさ、早くしないとリンが危ないかもな早目に肉貰って帰ろう。


「なら、もう行きますよリンが街をこわしてまわるのを阻止したいので」


「あぁ、後日また顔を出してくれれば問題無いからなそこだけ覚えておけ」


ギルマス凄い諦めた感じだったけど、まぁ良いか肉貰いに行くか全部は無理だと思うから少しだけでも貰ってリンに食べさせて落ち着かせないと、どんなお肉かな調理が楽しみだ肉自体が良さそうだしあまり凝った味付けは邪魔になるかもな、シンプルにして食べたら一番美味しいのかもしれないし悩みどころだ、色々と考えてたら解体所に着いたし入って状況を聞いてみるか。


「すみません、解体したお肉だけ貰いたいんですけも解体出来てますか?」


「おぉ、やっと来たなちゃんと解体終わってるぞ」


まだ、解体は時間がかかって終わってないと思ってたのに解体が終わってるなんてどんな速さで作業をしてたんだまぁ、おにくもらえるなら問題無いけど


「かなり貴重な素材も沢山あるんだが肉だけでほんとうに良いのか」


「はい、肉だけで良いですよ、残りはギルドに迷惑料込みで渡すつもりなので、お肉だけ貰えれば問題無いですから」


こんなに早くお肉が貰えるなんて予想外だったけどリンが街を破壊してまわることにならないから良かったよかなりの量になってしまったけど自分達で消費しようとしたらかなりの時間かかるし、教会で場所借りて無料で料理の配布をしようかな、まずはお肉の感じを見る為に少し味見してから料理を考えないとなドランゴんの肉なんて初めて食べるしな、この世界でも気軽に食べられる物でもないみたいだし美味しくしたいよな、ようやっと停めてたキッチンカー見えて来たけど、ヤバそうな雰囲気を醸し出してるけど何でだリンが我慢の限界をむかえてるのか、怖いけど行くしかないか


「戻ったぞー」


「ご主人様遅いなのです、後少し遅かったらココらへん一帯更地になってたなのですよ」


「ちゃんとお肉貰って来たからリン落ち着いて」


「ほんとなのですか」


「ちゃんと貰って来てるから安心すると良いよ」


言葉をやっと信じて破壊活動を辞めてくれたので安心して教会に向かえるけど、お肉は直ぐには食べられないと知ったら大変な事になるかな、少しの味見で我慢してもらうか。


「リン、今日はすぐにお肉食べられないから少しの味見で我慢してね」


「どうしてですかご主人様」


「どんな味付けにしたら美味しくなるのかみたいからね、そしたらまた色んな人に食べてもらえる様にしたいと思ってるからね」


「分かったなのです、だけど味見はしっかり食べますからね」


「程々で食べてね」


戻ったら皆のご飯を作ってお肉の下拵えをしたりと忙しいけどやっぱり、料理が出来るのは楽しくてしょうがないな。


「皆戻ったぞーコレからご飯を準備するからな、そして後日は凄いお肉を手に入らたからそれを皆に出すから楽しみにしててな」


「今日はお手軽親子丼だ、リン手伝ってね」


「ハイなのです」


人数が多いから準備は大変だけども、作り出すと意外とすんなり進むものでちゃんとみんなのご飯が時間通りには提供出来るように完成したので一安心である。


「皆、今日のご飯が完成したぞー」


なれたもので皆んながテキパキと行動してくれるから問題無く皆に食事が行き渡ったのを見届けたので、今日手に入れたお肉の確認をしてみて下拵えを終わらせたら色んな人に振舞わないとな量が量だから自分達では消費しきれないだろうしな、いやリンなら一人で食べてしまいそうだけどそこまではいかないだろうな、まだ肉の塊だから食べられる様にしていかないとなその時にでた端切れを味見してみて味付けをどんな感じにするのか決めておかないとどんな料理にするのか決まらないからな、リンの味見はリンが気がついて来てからで大丈夫だろうしキッチンカーの方でさっさっと始めますか時間がどれくらい必要になるのか分からないからな。


「ご主人様ここに居るなのですか」


「ここには居ません」


「そうなのですかなら別の場所かな、なんて簡単には騙されませんよ」


どうやらリンが肉の匂いを嗅ぎつけてやって来てしまったまだ下準備を始めたばかりなのに思ったより早くに来たな。


「ご主人様これが貰って来たお肉なのですか」


「そうだけどまだ食べられないよ、コレから食べられる様にしていかないといけないからね」


「ならここでご主人様の作業を見てても良いなのですか」


「見てても楽しくはないと思うけど良いの?」


「良いなのです、最近はご主人様と二人で過ごす時間が減ってきてるので一緒に過ごしたいなのです」


最近はバタバタしてて一緒に過ごす時間が減ってたけど、この作業を見てても楽しいのかね、前作った脾臓のおやつのドーナッツを渡しておこうすぐにお肉は食べられないし時間もかかるからな。


「リン時間かかるしコレでも食べてると良いよ」


「何なのですかこの穴の開いた丸い奴は」


「ドーナッツだよ甘いから食べてみてよ」


甘いと聞いたリンは目の色をかえて全部食べようと凄い勢いで食べだしたけど、渡さない方が良かったかなこの調子なら隠してた食べ物全部無くなりそうだな。


「リン食べるのは良いけど程々にね」


「分かってるなのですよ、ご主人様が隠してた物を全部食べる位なのですよ」


何だかリンの変なスイッチが入ってるな、またこまめに寝る前に作り置きして、突然の来客用のお菓子を準備しておかないとな、それにしてもよく食べるな。




♢♦︎♢♦︎



「ほらリン、ある程度の下準備終わったから味見するよ」


「もう…ご主人様を食べきれないなのですよ…」


どんな夢を見たらそんな寝言が出るのかね、一人で味見してみるか。


一番美味しそうな部分の切れ端を簡単に塩をかけて焼いて食べれば分かるからな、それに焼いてればリンも匂いで起きるかもだしな。


「リン、美味しそうなお肉焼いてるよ良い匂いがしてるよ食べなくても良いの?」


「…ご主人様は、どんな味付が美味しくなるなのですか…」


どうして頑なにリンは俺の事を食べる事しか考えてないのかな。


いい感じに焼けたしリンは起きそうに無いから一人で食べてみよう、塩しかかけてないのに今まで食べてきた肉でも一番美味しい、むしろ塩だけだったから一番美味しくなってるな、これ以上他に味付けしたらお肉自体の味と喧嘩して旨味が無くなってしまうなこれは。


「リン明日の準備も終わったし部屋に戻るぞ」


「ご主人様を食べ過ぎたので連れて行ってくださいなのです」


怖いなリンに襲われない様にしておかないと狙われてるのか、しょうが無いからリンを連れていくしかないな。


「リン連れていくから動かないでよ」


「ハイなのですよ、ご主人様から離れないなのです」


リンはジッとしてくれてるから連れて行きやすいけど、後々離れてくれるかなそこだけが不安が残るんだけど。


「リン部屋のベッドに着いたよ離れて良いよ」


「…やっと美味しそうなご主人様を独り占めなのですから離さない…なのですよ」


「リンが離してくれないと部屋に戻れないぞ」


「良いなのです…今は私だけのご主人様なのですから…」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

異世界キッチンカー放浪記 音無リン @otonasirin

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ