19.お肉ですよー

 教会での朝は何時もより早起きしないといけないけどもう慣れたものだ、後どのくらい此処に居るのか分からないけど、居るあいだは楽しく過ごせるようにしないとな。


「よし、今日も一日頑張るぞ」


「頑張るなのです」


「何でリンがもう起きてるの」


「ちゃんと手伝いをする為なのです」


 何故か何時も朝はポヤポヤしてるリンがしっかりと起きて手伝いに来てるのが驚きだ。


「手伝いをしてくれるならよろしくね」


「はいなのです」


 驚きはしたが、手伝いがあるのは作業が楽になるから助かるのでリンが出来る作業から手伝いをしてもらうけど、何で今日はしっかりと起きてるんだろうか、何かあったのかな。


「リン今日はどうしたの早起きしてきてしっかりしてるけど」


「ご主人様の手伝いをする時はいつも早起きしてしっかりしてますよ」


「朝は、何時もポヤポヤしてるでしょ」


「そんな事ないなのです、何時もしっかりしてるなのです」


「まぁ、しっかりしてるならここら辺の作業の手伝いをお願いね」


「はいなのです」


 リンの手伝いもあって、朝食の準備は直ぐに終わる事が出来て、時間に余裕があったので、ケーキを作る際に余ったカットフルーツがあったのでそれを使って一口サイズのフルーツサンドを作ってリンに食べたせてみるか、反応が良さそうなら数を作っておやつかデザートにしても良いからな。


「リン、口開けて」


 そう言うと口を開けたのでフルーツサンドを入れてみると、最初は驚いたけど食べ物と分かって食べ始めたら表情や尻尾の動きから喜んでるのがよくわかったので、これから作業して数を多く作るのが良いかな。


「ご主人様美味しかったので、まだ下さい」


 そう言って口を開けてるけど入れなかったらどうなるのかな見てみよ。


「何で食べさせてくれないんですか」


「あれは、お試しで作ったやつだから作らないとないんだよ」


「なら作って下さいなのです」


「なら他の人も食べられる様に数作るから手伝ってな」


「はいなのです」


 それから皆が起きて来るまではリンと一緒に作ってストックを多くしておこうとしたけどできたやつをリンが味見と言って食べていたのでなかなか数が増えなくて困ったけど、なんとかまとまった数ができたので安心してストックしておけるようになった。


「リンもう味見はしなくて良いよな」


「もういいなのですよ」


 そう言ってから昨日話してた二人の元に行って何か話してるけど、朝からしっかり起きていたのも二人の入れ知恵かな。


「そこの三人ご飯にするぞ話し終わってな」


 声をかけたらすぐに来てくれたのでみんな揃って朝食を食べる事にして、今日はギルドに来いって言われてるしギルドに行ってから何も無ければ教会で何かしようかな。


「今日は、ギルドに来いって言われてたからギルドにいくけど、問題だけは起こさないでね」


 みんな揃って元気よく返事してくれるのは良いけど不安になるのは何故だろう。


「よし、準備が終わったらギルドに行くぞ」


 ギルドに向かってるけど、あいもかわらず見られてるな、それに何処かに連絡してるみたいだし。


「ご主人様、何だか見られてる気がするなのですよ」


「それは、リンが可愛いから見てるんだろ」


「ご主人様可愛いだなんて…へへ」


 前も同じ事行ったけど、前は冗談言われてると思ったのかな、照れてるリンは、可愛いな。


「いいな、わたしもあんな事言われてみたいのに、肝心の相手はヘラヘラしてて私の事を気にすることもしないなんてさ」


「一度しっかりわからせた方が良いかもですよ」


 何だか物騒な会話が聞こえてくるけど、なにかするなら周りに人が居ない時におねがいしたいかな、周りにヒガイガでると大変だからさ。


「ご主人様、ギルド見えて来たしよ何か慌ただしいですけど何かあったなのですかね」


 ギルドの入り口をみると盾を構えてる集団が見えるけど何から守ってるのかな。


「何か物騒なものでも出たんじゃないか守ってるみたいだし」


「そうなのですね、なら守るのを手伝った方が良いですかご主人様」


「いや、ある程度人は居るし手伝ったら邪魔になるかもしれないから止めておこう」


「ハイなのです」


 何でかな、コッチから問題をおこすような事してないのにギルドに来る度に周りの態度がおかしいのは不思議だ。


「ヤバイ来たぞ、盾持ちはしっかりと構えて守れ、新人は目を付けられないよう奥に隠れてろ何としてもこの危機をやり過ごすぞ」


「おぉー、俺達はどんな危険な時でも生き延びてきたんだ今回もやってやるぞ」


 何だか危険な魔物が町中にでも出たのかって対応でコッチを見てるんだけど、なにどんな噂が出来たら魔物と同じ扱いを受ける事になるの。


「ご主人様、今日はギルドで絡まれない位静かですね」


「まぁ、絡んで来る人が居ないのが普通なんだけどね」


 皆が盾構えてすごい顔してこっち見てくるしさっさっと受付に行きますか、受付もメリッサ以外居ないし徹底してるな。


「猛獣使いの皆様、此処だとゆっくり話が出来ませんのでギルマスの部屋についてきて下さい」


「はい、お願いします」


 あんな異常な空間でゆっくり話なんてしてタラ何が起きるか分からないからな、ギルマスの部屋なら問題も起きないだろうし、部屋の修理くらい終わってるだろうしな


「ギルマス猛獣使いの皆様をお連れしました」


「よし入って良いぞ」


 部屋の中はまぁ、ある程度使えるくらいには整えてあったから良かった。


「来いと言われてたから来たけど、臨戦態勢だったけど魔物でも出たんですか?」


「まぁ、ある意味魔物でも間違いないかな、討伐不可能な魔物と並び立ってるからね猛獣使いは」


「ご主人様、そんなにつよい魔物を連れた人が居るんですね」



「そうらしいな、会わないようにしないとな危険だから」


「所でさ、コッチは色んな人と仲良くしたいのになかなか心を開いてくれなくて困っててさ、何だっら受付は酒場になってるから酒に合う料理を振る舞ったりしても良いんだがそれも出来そうにない状態だな」


「今は難しいだろさ、何だかどんどん噂だけが一人歩きしてる状態でみんな警戒してるからさ」


「ならそこは諦めますか、所でギルドに来てくれてって言われてたから来たけど何かしないといけないのか」


「そうだった、最近街道に魔物が多く出るようになってたから討伐と原因の調査をお願いしたいんだ」


「討伐とかなら、一杯冒険者は居るのにそっちには頼まないんだ」


「今居る冒険者はそこまで強くなくてな、元々居た強い冒険者は、ある出来事でショックを受けて別の場所に移った者も多くてな人手が足りないんだ」


「なら冒険者が居なくなるトラブルを起こしたらヤツのせいで料理人に依頼が回って来たのかなんて奴なんだ」


 どうやら、ギルド絡まれて撃退してた事によって深刻なベテラン冒険者不足に陥るなんて面倒な事になってるな。


「なら依頼は受けてくれるのか」


「分かったよベテラン冒険者が居ないならがんばるしかないからな」


 なかなかのんびり過ごす事も出来無いな、まぁ移動は車をつかうから早くて快適だからモンダイは無いか。


「聞いてた通り今日は魔物を退治するぞ」


 皆が良い返事をしてくれる、だけどその元気な返事が余計に不安になるな問題だけは起こりませんように。


「ご主人様、未だに厳戒態勢がギルドの中では起きてますね」


「まだ危険が去ってないからな」


「早めに危険が去るように頑張らないとですね」


「やっぱり勇者である俺が頑張らないと原因が取り除かれないんだろな」


 勇者が頑張っても返り討ちに合う光景しか思い浮かばないだが頑張るならがんばって貰いたいな。


「なら、楽しいドライブに行こうかね」


 のんびりドライブになるくらい魔物に遭遇しないで走っていると。


「ご主人様レーダーに反応ありですもう少し進んだら見えてくるなのですよ」



「了解見えるのは、青い塊の奴かな多分スライム系じゃないかな」


「勇者一行の皆様魔物との遭遇です戦闘準備をお願いしすなのです」


 リンがマイクを使って伝えてくれたので距離を保って退治しないとな、それにしてもスライムは弱いイメージがあるけど実際はどうなんだろうか。


「よしやっと活躍の時が来たぞ」


 勇者の気合が入っているので真っ先に先頭で向かっていったけど大丈夫かな。


「リン、あのスライムって弱いの」


「えっとですね、ちょっと待ってください、あのスライム確かグラスライムですね、物理攻撃が効かないので魔法が使えないと苦戦しますねあとついでにとても凶暴ですね」


「真っ先に突っ込んだの魔法が使えない勇者だよね」


「はい、そうですね危ないとおもいますけど頑丈さはあるので大丈夫なのでは」


「誰か助けて…攻撃が効かないこのまま食べられる」


 もう既に色々と手遅れだったみたいだね、まぁ魔法の攻撃準備が終わりそうだし見てるだけで大丈夫かな、それにしても何が原因で魔物が道まで出てきてるんだろうか。


「リン魔物が道まで多く出てくる事って良くあるのか」


「滅多に起きる事なんて無いなのですよ」


「なら何かに追われて出てきてるのかな、道を外れて周りを見て回った方が良いかもしれないな」


「ご主人様、残念な事に勇者が助かった様ですよ」


 無事に魔物の対処も終ったようだな、ならすこし周りを見まわりしながら魔物の対処と原因が見つかるか探してみよう。


「ご主人様、どうやらあっちの方から反応があるみたいなのですよ」


「なにが居るのか行ってみようか」


 レーダーの反応を見ながら移動してみると、デカイトカゲみたいな魔物が居るのが分かったけど、あれってドラゴンとかかだけど羽は無いし、地面を這う様に歩いてるけど地竜とかかな。


「リンあれは、地竜なのか」


「はい、そうなのです、魔物が道にまで移動してきたのはアレが原因ですね」


「ドラゴンとか美味しいってイメージだけどアレは食べれるの」


「ご主人様、私は食べた事は無いのですがとても美味しいらしいなのですよ、なので食べてみたいなのです」


「リン倒す準備を始めようか、美味しいお肉を皆で食べようか」


「ご主人様あの魔物は倒すのには人を揃えないと倒せないって聞いてますよ」


「リンはドラゴンの肉は食べたくないのか」


「そんなの食べたいに決まってるなのですよ」


 リンもやる気を出してくれたし、どうやって倒すかな。


「リンこっちで重力魔法で動き止めるから、輪が何時ものレーザーでアタマを撃ち抜ける」


「多分全力でいけば出来るはずなのです」


「ならそれでいこうか、やり過ぎで肉をダメにしたらいけないからね」


「はい、なのです」


 方針が決まったので、結構な魔力を込めて重力魔法で何とか動き止めたけど、普通だったらどうやって倒すのかね。


「リンあとはよろしくね」


「はい、なのです」


 リンのレーザーで無事に撃ちぬく事出来たけど、あの威力がひとに向かわない事を願うばかりだなあんなの人に向けたら跡形のこらないかもな。


「ご主人様やりましたなですよ」


「それじゃ収納魔法で持って帰るか何処で解体して肉に出来るかな、探さないとだな」


「よし、リン帰ったらお肉食えると良いな、勇者一行と合流して帰るか」



「勇者の皆さんお肉ですよー」

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