2024/5/20 パウンド・フォー・パウンド
6日の東京ドームでの試合で、ルイス・ネリに完勝した井上尚弥が各媒体のパウンド・フォー・パウンド1位になって2週間。
今度は多くのところでヘビー級決戦を制したオレクサンドル・ウシクがパウンド・フォー・パウンド1位となりました。
正直、私、ウシクがタイソン・フューリーに勝つとは全く思っておりませんでした。いや、確かにYoutuberにダウンさせられていい勝負してしまった失態は知っていましたけれど、それでもフューリーですよ。
あのとんでもないデカさ相応の破格のタフネス、重いから単発でも破壊力があり、巧さもある選手であるはずでした。
ウシクはもちろん強いというのは知っていましたが、それはあくまでクルーザー級であるから。いくら何でもフューリーの重さには勝てんだろうと。
そう思っていただけに凄かったですね~。うまく立ち回ってポイントだけゲットしたというわけではなく、思い切り打ち合った末での勝利ですから。
9Rは10-7でも良いくらいでしたね。
で、タイトルのパウンド・フォー・パウンドですが、本来こんなものはいらない子だったはずなんですよね。
というのも、ボクシングで一番強いのはヘビー級であるに決まっているからです。
例えばモハメド・アリやマイク・タイソンの時代にも優れた中軽量級ボクサーはいましたが、「そいつらはアリやタイソンより強かった」なんて言う人はまずいません。
史上最強のボクサー論を出すとしても、多分アリとかタイソン、あるいはジョー・ルイスなんかもあるかもしれませんが、どれだけ沢山中量級を制覇していても「史上最強のボクサーはシュガー・レイ・レナードだ」とか「いや、オスカー・デラ・ホーヤだ」とか「フロイド・メイウェザーかマニー・パッキャオだ」とはならないでしょう。
ということで、パウンド・フォー・パウンドが問題になってくるのは、ヘビー級が弱い時、「つまり、あいつはヘビー級のチャンピオンだけど、ボクシングの頂点に立つにふさわしい奴じゃないよね」というのが立っているようなときです。
正直、タイソン・フューリーは「他階級の追随を許さんくらいには強いのでは」と言える選手じゃないかと思うんですよね。まあ、華麗に勝つというよりはとにかく圧倒的なフィジカルアドバンテージを活かす感じですけど、それもまあ強さではありますからね。
まあ、最近はほとんど試合していませんでしたし、くどいようですがYoutuberにダウンさせられたので、「あいつはもうあかん」となるのも理解できるところではありますが(^_^;)
ですので、フューリーに勝ったウシクがパウンド・フォー・パウンドというより、「単純にボクシング最強だよね」となるのはまあ普通かな~とは思います。
とはいえ、夏にクロフォードが爽快に勝てば、また順位が入れ替わるのかもしれませんが、私的には「ある程度強いヘビー級がいるなら、そもそもパウンド・フォー・パウンド自体不毛じゃないか」的なところはありますね。
アメリカンスポーツの部屋 川野遥 @kawanohate
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