希望を捨てないで
夕日ゆうや
希望を捨てなかった私は……。
私は以前の東日本大震災のとき、石巻にいました。
3月11日15時26分。
激しい揺れで立っているのが難しいくらいでした。
壁はひび割れ、海岸沿いの製紙工場からは火の手があがる。
約40分後には津波が海岸沿いを襲い、瓦礫の山と化しました。
3日間ほど避難所に待機しており、4日後に自衛隊が到着し、バナナなどの食糧品が届きました。
それまでは買いだめしてあった食糧や避難所に備蓄してある食糧をわけてもらいました。
それでも空腹はごまかせないほど、食糧は足りませんでした。
その一年後。
私は恋人ができました。
でも一時間後、それも手をつなぐこともなく別れました。
彼女の言葉の暴力――DVが酷かったのです。
彼女曰く、私は精神破壊者と言われたのです。
あの人が何を言いたかったのか、分からなかったですが、そのことが原因で記憶喪失になりました。
そして数年後、記憶が戻り、精神的に参ってしまいました。彼女が自殺したことも思い出して……。
僕は誰かを傷つけたかったわけじゃない。
誰も救えないなんて嫌だ。
僕だって愛をもっていると思う。
だからこれからも愛を伝えていきたい。
今は希望をもって生きている。
恋をしている。
母の気持ちが分からなかった時もあった。
でも今なら理解できる。
たくさんの友達もできた。
おいしいワインとチーズで過ごす日もある。
友達に恋愛相談をした時もある。
まだだ。
まだ終わらんよ。
僕はまだ生きていられる。
素敵な出会いも、素敵な小説とも出会えた。映画も面白かった。
たくさんの小さな幸せがあるから、僕は生きていられるのだと思う。
だから諦めないで。
負けないで。
あなたの生き様を世界に示せ。
希望を捨てないで 夕日ゆうや @PT03wing
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