第9話 守銭奴探索者、RTAする。
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コラボ当日の朝、俺は急遽決まったコラボの告知についたリプライの反応を眺めていた。
「案外、否定的な意見は少ないな」
結局、あの後コラボは早ければ早いほど下手な憶測も広がらないだろうという事になり、さっそくコラボの告知を行った。反応を見てみると賛成的な意見が7割ほど、西園寺を心配するコメントが2割ほど、そして最後に俺とコラボすることに対して拒否反応を起こしているコメントが1割ほど。
正直半分くらいは反対意見が出ると思っていたから賛成意見が多数派だったのはありがたかった。
「それでもコラボが明日ってのはいくら何でも急ぎすぎたか?」
出会ってその日に弟子が出来、その明日にはコラボでダンジョンに潜ることになる。流石にいろいろと展開が速すぎたかもしれない。ただ、Sランクを目指すという事であれば死線をくぐり続ける必要がある。そう考えるといくら時間があっても足りない以上さっさと修行をつけるのは悪いことではない。それにそもそも今回は炎上対策として西園寺とはコラボすることになっていたのだからそちらの事情も考えると早いほうがいいのは確かだ。
「弟子ねぇ…」
育成法の依頼で教官なんてやってはいたが、あれは指導ではなくただただモンスターにトドメを刺させていただけだった。誰かにものを教えることに不安はあるがそれでも今は西園寺をどこまで強くすることが出来るかと思うと楽しみになってきた。今日のコラボの内容を考えているとそろそろ集合の時間が迫ってきていた。
「おっと、もうこんな時間か。時間に遅れるわけにはいかないな」
さっさと準備を終えて俺は待ち合わせ場所へと向かう。
待ち合わせの場所へと向かうと俺より先についていた西園寺が手を振りながら出迎えてくる。
「シュウさん!おはようございます。今日はよろしくお願いします!」
「悪い、待たせたか?一応時間前につくようにはしたが」
時間を確認すると待ち合わせの時間には10分ほど余裕があった。
「いえ、私もさっきついたばかりなので」
「そうか、それじゃあ早速ダンジョンに行ってもいいか?今日は下層からの配信でよかったよな?」
「はい、下層でのトレーニングをメインに配信していく予定なので」
ちなみにコラボの内容だが俺は今回、西園寺が弟子なった説明などをメインに行い、トレーニング配信自体は西園寺がある程度慣れてから、と考えていたがせっかく注目が集まっているのだからここで大々的に技術を伝えて固定ファンを増やしていったほうがいいという西園寺の言に従い、下層から配信を開始することになった。
「それにしても配信開始まであと30分くらいですよ?シュウさんがそれでいいという事でしたので反対しませんでしたけど、私じゃあと30分で下層まで行くのは無理ですよ?」
ここ東京ダンジョンは上層5層、中層10層、下層が20層となっている。下層より下には深層がありそちらは現在58層まで確認されているが最下層が何層にあるのかはまだ分かっていない。通常、階層を下るのには上層程度であれば慣れた探索者なら1層下るのに5分程度で済むが、中層以降は西園寺では1層下るのに30分はかかるだろう。それでも相当に速いが今回は間に合わない。ただ今回は俺がいるので問題ない。
「まあ今回は俺が下層まで西園寺を連れて行くから問題ないな。20分もあれば下層までつくだろ」
「連れていく?」
顔をかしげている西園寺の身体を俺は前方で抱え上げる。
「よいしょっと、あんまし騒ぐなよー」
「え?え?」
固まり、困惑した表情を浮かべる西園寺をよそに俺は身体強化を全身に掛け、ダンジョンへと飛び込んでいく。
「う、うわあああああ!!速い速い速いいいいい!!!下ろしてください!!普通に進みましょう!!!」
「配信外なのにちんたら攻略してられるか、さっさと下層までいくぞー」
西園寺が騒いでいるが無視、上層をさっさと駆け抜け、中層へと入る。上層にかかった時間は5分程、やっぱり人を背負って走るとどうしても時間がかかるな…。いつもなら3分ほどで上層は抜けられるんだが。
何となくタイムアタック気分で下層まで全力疾走していると物陰から3mほどの岩で出来た巨体が飛び出してくる。ゴーレムか。邪魔だな。めんどくさい。
「シュウさん!前!前!!」
「わかってるから黙っとけ、舌噛むぞ?」
騒ぐ西園寺を黙らせながら突っ込んだ勢いのままゴーレムに蹴りを入れる。するとバガン!!という音と共にゴーレムの身体が砕け散る。
「わあああああ!!ぎゃあああああああああああああ!!!!」
耳元であんま叫ばれたくないんだが…。さっさと目的地に着いたほうがいいな。
俺は先ほどより気持ち強めに身体強化をかけなおし速度を上げる。速度が上がり西園寺の絶叫はさらに凄まじいものとなったが、下層まであと5層くらいだし我慢してほしい。
そのまま中層ボスも轢き殺し下層へと到着する。時間を確認すると配信開始時間の10分前、しっかり間に合った。青い顔をしていた西園寺をその場に下ろすとふらふらとした足取りで草むらへと向かっていったが気にしないことにした。流石にかわいそうだしな。ただお前もこの速度で走れるようにならなきゃいけないんだからさっさと慣れろ。
「うう…、まだ視界が揺れてます…。」
「そろそろ配信始めるからさっさと体調戻してこい」
ふらついている西園寺は放っておいて配信のためにドローンの準備を始める。
「よし、配信準備完了!西園寺ー!いけるかー?」
「は…はい…、んん!大丈夫ですわー!」
西園寺も無事落ち着いたのか返事が返ってくる。それにしてもなんであいつお嬢様キャラなんてやってんだ?弟子のキャラに疑問を浮かべながらも俺も意識を切り替える。
「んじゃ、配信開始っと」
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守銭奴探索者、夢は預金残高5000兆円!!〜バ先が摘発されたので配信者始めました〜 文学少女ノベル@Vtuber @shion396
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