第2話 『 お兄ちゃん、森の主と戦う 』
第2話 『 お兄ちゃん、森の主と戦う 』
心が眠ってから、2時間程森の中を歩いている。
「んっ…………にぃ…にぃ」
心が目を覚ましたらしく、軽く瞼を擦りながら僕が居ることを確認しているようだ。
心も目を覚ましたし、そろそろ休憩にしよう。心が寝ている時に偶然、食べれる果物を発見することができた。心のご飯をどうにかしなければいけなかったので、本当に運がよかった。
「ご飯にしようか」
「こころ、ご飯食べるー!」
最近は、ちゃんとご飯を食べることができていなかったから、心は凄く嬉しそうだ。
心を下ろして、食事にする。心のリュックサックに入れておいた、桃のような果物を2つ出し1つを心に渡す。近くにあった、大きな木の根っこに並んで腰を下ろして果物を食べる。(果物は事前に、透が毒味した)
「おいしー」
心は満面の笑みで嬉しそうに、むしゃむしゃと果物を食べる。笑顔で食べる心を見ると僕も嬉しいけれど、本当は、もっとしっかりとしたものを食べさせてやりたい。心に、しっかりとした食事を食べされる為にも、一刻も早く街に行かなければ。
「心、そろそろ行こうか」
果物を食べ終わり。少し休憩したので、街探しを再開する事にする。 手を広げ、隣の心を呼ぶ。
「心、おいで」
「にぃにぃ!」
心がこちらに来て抱きついてきたので、そのまま抱っこして立ち上がった。そして、森の中を歩いて行く。
昼ご飯を食べてから早4時間。まだ、森から抜けれずにいる。心も少し疲れてきている。早く森を抜けなければまた、あの化け物に襲われるかもしれない。今度出た時、また撃退出来るか分からない。
透が不安に思う理由は他にもあった。
人間の野生の勘なのだろうか、この森からは嫌な気配を感じる。
そして、その勘は最悪の形で叶うことになる。
◆◆◆
それから数時間、透は心を抱えただただ歩き続けた。だが、透の頑張りも虚しく一向に街が見つかる気配は無い。それどころか日はもう沈み、辺りは暗くなっていた、流石にこれ以上の探索は不可能だった。
仕方ないので透は辺り見渡し、何処か身を隠しつつ寝られる場所はないかと探す。しばらく辺りを探すと小さな洞窟があった。
ここなら、雨風も凌げて化け物に見つからないかもしれない。
そう、安心しかけた時だった。
「ぐぅおおおおぉーーーーーー!!!」
洞窟の中からものすごい叫び声が聞こえ、ドカドカドカとこちらに走って来る音が聴こえる。近くにいる生き物達が一斉に逃げる。これはヤバイと感じた透は、心を抱える手に力を込めて逃げ出そうとする。しかし、もう遅かった。
次の瞬間、2mを優に超える体に、頭に大きな角の生えた巨漢の化け物が目の前にいた。瞬間、バキッという音と共に体が右方向に吹き飛ぶ。地面をボールのようにはね飛び木に激突する。
透は、吹き飛ばされる瞬間に心を庇う様に抱えて、地面や木にぶつかる時も自分がクッションになるようにした。
だが、衝撃は心にも伝わっており、心は頭から血を流して気を失っていた。
心の命には別状はないが、しかし、透にはそれがわかっていても冷静ではいられなかった。
溢れて出てくる怒りを押さえつけながら、残った理性で、 透は心を木に優しくより掛けさせるようにおく。怒りに支配された透は、自分のこの世で一番大切な妹を気づつけたゴミに地獄を見せる為に動き出す。
「コロス………ぶち殺す!!!」
角の生えた化け物の方を向き、化け物に圧倒的殺気をこもった死刑宣告をする。
透の殺気に本能的に化け物は怯えるが、すぐさま自分がこの森の王であり、お前は俺の飯の分際で、この俺に殺気をぶつけるなど何様だと怒り狂った叫び声を上げる。
「グゥゴォオオオオーー」
そして、透と化け物の戦闘が始まる。
化け物は、ボウリング玉ほどの右拳を振り下ろす。しかし、透は化け物が拳を振り下ろすよりも先に化け物に飛び掛かり、頭の2本の角を両方掴み、両手を手前に引きジャンプした勢いのまま、化け物の顔面に左膝をぶち込み、鼻の骨を砕く。
化け物は少しよろけるが体勢を立て直し、透の左足を左手で掴むと思いっきり地面に叩きつける。
「っ………!!」
透の口からは肺の空気が出る。追撃とばかりに化け物は、倒れた透に向かって右拳を振り下ろす。透はそれを左に転がることで回避する。そして転がりながら立ち上がると、化け物に突撃する。化け物は左腕を横薙ぎに振るが、透は姿勢を低くすることでかわし、化け物の懐に入る。透は、化け物のみぞおちに全力の右拳を振るう。
その瞬間、透の目は赤く染まり、透の振るった拳は化け物を貫き風穴を開けた。
「グゴッ…………!」
化け物は呻き声を上げて倒れていく。
しかし、透も限界に来ており透の意識もそこで消える。
▽▽▽▽▽
○あとがき 2024年1月1日 4:58
拝啓 第2話を読んでくださった読者様
投稿してすぐだと誤字脱字が多いと思うので、30分後ぐらいに見ると少なくなってると思います。
応援よろしくお願いします。
追伸
なんでもいいので、この青猫侍を褒めてください。
私、小説を投稿してから『聴く小説』で誤字脱字を確認をするのですが、誤字脱字が多くて辛いです。
マジ、適当なことでいいので褒めてくださるとありがたいです。
青猫侍
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