第2話

ふと、ベットの横にある小さな机に目がいく。机の上には写真立てがあった。中の写真には少女が写っていた。

切れ長でくっきり二重の青い目はたくましく、桜色の唇は微笑んでいる。顔を包み込む青色の長い髪は儚げな美しさを出している。

その隣には金髪の少女が満面の笑みでこちらを見ている。涙袋の目立つ緑色の目をした少女だ。

青髪の少女はシデラ。そして、金髪の少女はアメリアだ。シデラが十二歳の頃の写真だ。

懐かしいな、と思い出に浸っていると「…うぅっ……」と苦しそうなシデラの声が聞こえてくる。

その声でやることを思い出し、1階のリビングに走る。驚いた両親は目をぱちくりさせている。

胸を張り、思いっきり宣言する。

「お父様!お母様!私、魔法学校に通います!そして、魔法を学び、シデラの病気を治します!」

急な大声にびっくりした両親はしばらくしてから言った。

「アメリア…。魔法学校って、じゅ、授業料や入学金は…どうするんだ…。払えないぞ…。」

「その事は、ご安心を。知り合いの魔法使いに推薦してもらえば全て無料で出来ます!」

アメリアには ベレッタ婆 という魔法使いの知り合いがいる。長老すぎて魔法は使えないが、若い頃は有名な魔法使いだったため、推薦してもらえば入学は絶対、授業料も無料になる。(と思う。)

両親は少し考えてから次は、

「魔法を学んだって、必ず家に帰れるか分からないわ。最悪、学んでいる最中にし、死ぬかもしれないのよ?」

と言い出した。

「私は治癒を専門とするので、危険な授業はないし、魔法使いになっても忙しすぎて家に帰れないなんてことはないです!」

しばらく沈黙が続いたあと、

「そう…。認めざるを得ないのね…。」

と納得してくれた…。

その約一ヶ月後…、私は家を出た。

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魔法のような花束を @kototto

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