第2話

ヘッドホンをすると安心するのである。

イヤホンでは足りないのである。

鼻歌を歌うのも気が紛れるのである。

母のブツブツ悪口を言う声よりも自分の鼻歌の方が体の中で響いて耳に入るからである。

耳栓を買ってみたのである。

確かに完璧に遮音は出来ないが、明らかにブツブツ悪口を言う声の音域を耳が拾いにくくなっているのである。

100均のでも心理的ストレス削減には効果てきめんだったのである。

母が過ぎ去るまで布団の中で寝たフリをしてやり過ごしてきたのである。

土日は母が居るのであるから、なるべく長い時間寝たフリをして布団の中で動画を見たりなどして過ごしているのである。

朝は遅くに布団から出て夜は早くに布団に入るのである。

まぁ、こちらがどんなに遅く寝ても何時に目覚ましをかけていてもお構い無しに布団を剥がして起こしてくるのであるが。

誠にはた迷惑な輩である。

なぜ君の起床に合わせてこちらも起床せねばならないのであるか。

誠に軍隊のような支配欲である。

自分の部屋の扉を閉めるのも心の扉を閉められて少し安心するのである。

以前は扉を半分開けておかねばならなかったのであるが、少しずつ扉を閉める事を根気強く続けていたらとうとう夜の間だけは閉めていられるようになったのである。

どんなに閉めても勝手に開けられる事を繰り返していた時期はほとほと嫌気がさしていたがついに勝ち取ったのである。

少しの安心感をゲットしたのである。

それでも未だに勝手に扉を開けて布団を剥がして朝起こして来るのだけは本当に勘弁して欲しいのだが。

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ストレスの所在 再才りり @sai_sai_lily

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