第2話
「レイシェ…あい…して……る」
「かあs」
「は!?」
僕は寝ていたのか?…てかここはどこだ…?
「目が覚めたんだね」
ピンクの髪をした女の子が僕にそう言ってきた
「確か君は…ファング・ニール」
「そう…ところで大丈夫?うなされてたみたいだけど…」
「う…うん……大丈夫……」
嘘だ
「ところでここはどこ?家?」
「ここは王国からかなり離れた町の宿」
「私たちは貴方の母によって王国からかなり離れた町に飛ばされたみたい…だから聖騎士の追っ手とかも来てないよ…」
「そう……なんだ」
「君が数時間泣いたあと倒れたから私が町の宿まで運んだの」
「ごめん…」
「でも…無理もないと思う……目の前で自分を庇って…実の母が殺された……私も……似たような事があったから…だから辛いのはわかる……でもいつかは振り切らなきゃといけない、ずっと過去に囚われてたら前に進めなくなる……」
「……」
僕と彼女の間に少しの沈黙が続いた
「…君は…どうして王国から追われてるの…」
僕は重い口を開けてそう言った
「私は……ドラゴンの末裔……だから……王国が危険って言って殺されそうになってた」
私はファング・ニール、ドラゴンの末裔でマジックポイントが人間より多く力も強い…
人々はそれを恐れた……
私はある時…魔物を倒すのに少し手こずって怪我をしていた
「…しくじった……」
そんな事を言っていると
「あの、大丈夫…ですか?」
若い女が私にそう言った
「私はドラゴンの末裔だ、貴方には関係ない」
「そ…それでも…ダメです!」
そう言って女は無理やり家に押し込み私に手当てをしてくれた
「なぜ…私の傷を手当てしたの……」
私は疑問で仕方なかった…王国で魔物を匿う事は死罪に当たるからだ
それに対して女は
「私思うんです!魔物も人も同じ命を持って生まれた生命……だから、魔物だから見殺しにする事は…私にはできません!」
女はそう答えた…
私にはその言葉に嘘があるように見えなかった…
「ですから…何かあったらまたここに来てください!」
「……変な人」
「な!!今変な人って言いましたね!」
人族で唯一私に心を開いた人だった…
それから私はよくその女と話したり…その女の家に泊まったりしていた…
でも…そんな日々は続かなかった…
女と私は王城へと呼び出されたのだ
そして待っていたのは…
「我が王国でドラゴンの末裔を匿うなど…死罪に値する」
「やめろ!!殺すなら…私を殺せ!その人は関係ないだろ!」
オルトス国王はニヤけながら…
「殺せ」
「やめろぉぉぉぉ!!」
女は殺された
私がいたから死んだ…私がいた……から?
どうして……なんで……クソ……クソ……
「クソォォ!!」
「殺してやる……殺してやる!」
オルトス国王は
「国王を殺す…か…下賤な考えだな……」
「殺せ」
オルトス国王がそう言った次の瞬間私は
「我が力に答えよ…ドラゴンプロクス!」
国王に向けて全力で魔法を放った
「……やはりドラゴン族は早々に葬っておくべきだな」
オルトス国王は無傷でそう言ってきた
「な…なんで!私の最大火力の魔法を受けて人間が立ってられるはずが…」
「冥土の土産に教えてやる、エクストラスキル
「な…完全魔法体制…だと!」
ありえない……国王がエクストラスキルを持っているなんて…そんな事
「残念だったな、ドラゴンの末裔…」
「やれ…デアリ」
「はっ!」
ずっと座っていた金髪の女が前にでてきた
「喜べ…お前は私直々に惨殺刑にしてやる」
「
女はそう言って剣を振るっていたが、私はそれを避けて
「遅いね」
「へぇ…言ってくれるじゃないか」
女はそう言って
「
「ぐぅ!!」
体の至る所に切り傷ができた
何を食らった?
「さすが腐ってもドラゴン族!そう簡単に斬り殺せはしないか!」
「そうだね…
炎を剣の形に変え女に向かう
「炎の剣か……素晴らしい!」
「そうこなくてはなぁ!!」
そんな中国王は
「馬鹿どもが…全く……せいぜい俺の為にそこでやり合っていろ…」
そう言い残してその場から立ち去ったのだった。
私と女は、剣と炎の剣がぶつけ合っている
「く……これ以上やっても時間の無駄だな」
「そうだ……ね!」
私と女は距離をとって
「これで決める」
「そうか…では私もそれに乗ってやろう!」
「
「
次の瞬間私と女は全力で魔法をぶつけ合った…
城は崩壊して、私はボロボロになっていた
「ゲボッゲボッ….どこ…いった…オルトス!」
周りを見ても何処にもいない…
「何処…いった……出てこい!オルトs」
瞬間私のお腹に一本の弓が刺さった
「ぐぅっ!」
まずい…このままダメージを受ければ当分動けなくなる……
「プロ……クス!」
弓を打ってきた方向に魔法を打った…打ってきたやつが死んだかどうかはわからない。
とりあえずオルトスもいないしここにもう用はない……
「転移魔法…テレポーター」
「…流石に….ドラゴンの力持った相手…私も相応のダメージを受けたな…そ魔法では」
そう言いながら金髪の女が瓦礫から立ち上がってきた
「さて……オルトスのクソ野郎に報告にでも行くとするか…だいたい何処に向かったかも分かってるし」
女はそう言って何処かに歩き始めたのだった。
「そうして私は…数年間聖騎士に追われてる……って感じなんだ」
「そっ……か」
再び沈黙ができた
その沈黙を破るように僕は
「そういえばここ、村なんだよね?」
「うん、そうだよ」
「当分の間はここに居ても大丈夫だと思う」
ルーニはそう言うが、僕としてはこの村の人たちに迷惑をかけられない…
「いいや、僕は少ししたらこの村を出るよ…村の人に迷惑かけれないし」
そうするとルーニは
「なら…私も行く」
「え?」
「ここに残ってもいずれあいつらに見つかる…だったら君と一緒にいた方がいいと思った」
彼女は少し頬を赤めながらそう答えた
「お暑いところ申し訳ないがちとワシの話を聞いてもらってもよろしいかな?」
「「!?」」
気がつかないうちに宿の部屋に老人が入っていたらしい
「ご、ごめんなさい…それで僕たちに質問って」
「お主らが、悪い人ではないと言うのは見てわかるのじゃが…なぜ転移魔法できたのかと思ってのう」
「私たちは王国に追われてる」
「なるほどのう…」
「そうじゃ、自己紹介を忘れておったわ…この村の村長じゃ」
「ところでそこの少年や」
村長は僕の方に向きそう言ってきた
「お主……母の名は………レイア…と言うか?」
「!?」
「と…言うのだな」
「…何で知ってる?」
僕とルーニは剣を抜き、臨戦体制にはいる。
「ほっほっほ…なーにワシは…昔レイアと旅をしただけじゃよ…」
村長は、懐かしそうにけれども少し悲しそうにそういった
「旅?」
「もしかして…」
僕がそう言うと
「何か知ってるの?」
「うん、昔母さんから聞いたことがあって」
「レイシェ…良い機会だからお母さんの昔話してあげる」
「むかしばなし??」
「そう!…あれはそうねぇ……8、9年前かしら?」
「私は勇者で魔王を討伐してこいって国王に言われてね、倒しに行ったのよ」
「そうなの?」
「そうよー、それで私には王国を出た時は仲間が居なくてね…」
「でも、私が旅に出て王国から外れた町で休んでる時にめっちゃ強いおじさんがいたのよ!」
「つよいおじさん??」
「そう、そのおじさんのなはね……」
「「クレイスター」」
「ほっほっほ…懐かしいのう」
老人は自分の髭を触りながらそう言った
「あの頃は、ワシもまだまだ現役だったから張り切っていろんな事をしたもんじゃ」
「確か、魔法がすごいとか?」
母の話だと魔法の精度・強さが凄いらしい
「そんな凄い事はしておらんわ」
「それはそうと……レイアはどうした?確かお主らが転移した時レイアは一緒ではなかったが…」
「……」
「僕の…せいで……死んだんです」
「母さんは!僕を庇って…死にました」
老人が驚きを隠せない表情で僕を見ている。
「僕が…僕がいたから……僕のせいで」
パチン!
そう言った途端、僕はクレイスターにビンタされていた
「っ!」
「レイアの息子よ……きっとレイアはそう思ってはおらん……」
クレイスターは怒りを表しそう言った
「なぜ、レイアがお主を命に変えてでも助けたと思う?」
「お主に生きて欲しかったからだ……」
「レイアの気持を…レイアの覚悟を…レイアの思いを!お主…無駄にするんじゃないぞ!」
クレイスターはそう言って黙ってしまった。
「話の途中にごめん、ここの近くで、火龍の頭骨を元に作られた魔道具の噂を耳にしなかった?」
ニールはクレイスターにそう質問した
「火龍の頭骨か……この町にはそう言った噂や情報はきとらんな…最近では、ヴァンパイア娘の噂と日の国で作られた剣が高値で売られたぐらいかのう?」
「そっ…か、ありがとうございます」
「あーでも代わりと言っては何じゃが」
「この町から離れた少し大きな町があるんじゃがそこならもしかしたら情報があるかもしれん」
「その町の名前は……」
数日後
「村長…いやクレイスターさん」
僕はこの町を出る朝、クレイスターの家に行っていた
「何じゃ?レイアの息子よ」
「この間は……ごめんなさい」
「もう…僕は弱音は吐かない」
「そうか…レイアの息子よ、がんばるんじゃぞ」
「うん!」
そう言って僕は、家を出て行った
「もう用事はいいの?」
ニールがそう聞いてきた
「うん…挨拶もできた」
「それじゃ…行こうか」
続く
幼い勇者と最強少女の旅路 Marty @TAiYOU3024
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