幼い勇者と最強少女の旅路

Marty

第1話 罪を課せられた2人

「あの子が生まれたわ……」

そんな優しい声が小さな家に響いた

「そうか…それで名前はどうするんだ?」

「そうね……」

「全く、に無理やり孕まされた子供を産むとはな……」

「この子に罪はないわ、罪があるのは

「それもそうだな……」

「決めたわ」

「この子の名前はよ」

     数十年後…

静かな森の中、少年が剣を腰に携え静かに歩いていた。

「うーん…見つかんないなあ…」

少年がそう呟いたその瞬間

「ぐおおぉ……」

静かな森の真ん中で、唸る魔物を見つける

「あ、やっと見つけたよ…魔物タイラントオーク」

少年はすぐさま腰にあった、剣を抜き

「炎よ剣に纏え……プロクス!」

そう唱えると炎が剣を纏い

「ふっ!」

即座に距離を詰めた

「ぐおおおお!」

タイラントオークが素早く反応し、棍棒を振り降ろして来たのを

「早っ!」

そう言葉を放つと、タイラントオークの攻撃を軽々と横にかわした。

「ソレじゃ…バイバイ」

同時に、少年は炎を纏った剣で切りかかった。

「ぐ…ぐおおおおお!!!」

苦しみの断末魔を放ち倒れた

「ふぅ……これで今回のギルドミッションもクリアだね」

そう言って、先ほどまで炎をまとっていた剣を腰にある鞘に納め、オルトス王国に帰るのだった…

「おい…あの計画は順調か??」

王冠をつけた男が秘書らしき男にそう聞く

「はい…勇者とあの娘の処刑の準備は整っております…如何なさいますか??」

「そうか…なら早々にあやつらをこの俺の国から消そう…」

不気味な笑みを浮かべながら……王冠を被った男はそう言った

「ただいま母さん!」

僕はそう言って元気に自宅のドアを開ける

「おかえりレイシェ…怪我はない?」

「うん!大丈夫だよ」

僕は、レイシェ・ファント見た目は幼いけど、バッチリ勇者です。

ちなみに母はすごい勇者なんだ

「早く着替えてご飯食べましょ?冷めちゃうわよ」

「はーい」

「はい、お母さん特製フルーツポークのステーキよよ」

フルーツポーク…別名果実の豚

リオルトス王国の名地フルーツツリーからできた、高級なフルーツをポーク食べさせて、ポークの肉にフルーツの味が染み込ませたものだ。

母は僕の前にポークフルーツをおいた

「わー!美味しそう…いただきます!!」

うん、すごく美味しい…お肉と果物で味のバランスが取れてて美味しい!

「こらこら、そんなに急いで食べなくてもご飯は逃げませんよー……っ!?」

母の顔が急に青ざめた

「どうしたの!?」

「だ、大丈夫よ……レイシェ」

そう言いながらぎこちなく笑う

「私はもう…勇者としての意味を果たしたから、力が衰えててね…その影響か……ひどい頭痛がでるようになっちゃってね…」

「そ、そんな…」

この世界では、勇者が新たな勇者を産む・もしくは産ませることによって勇者というものを継承している。

当然、勇者の力は新たな勇者ができたら徐々に勇者の力がなくなっていく。

「そんな…心配しなくても大丈夫よ」

そう母が言いながら立ち上がって、僕にハグをして

「レイシェ…あなたを置いて絶対に死なないわ…」

「約束…だよ……母さん」

「えぇ…もちろんよ」

その後、母は頭痛が治ったのか笑顔で話すようになった

「すぅ…すぅ…」

私はレイシェの母レイア

この子ができた経緯は複雑だけど…この子に罪はないと頑張って一緒に生きてきた。

最近じゃ…魔物を討伐して楽しそうにそのことを話して

こんな日々が続くといいんだけどね……私自身どこまで持つのか….

「おやすみ…レイシェ」

私はそう言い残しレイシェの寝室を出るのだった…

「おいそっちだ、ドラゴンの末裔ファング・ニールがそっちに向かったぞ!」

女が馬を走らせながらそう叫んだ

「おいおいおいおい…この方向は……王国への道だぞ…」

「聖騎士長様…どうなさいますか??」

女は少し考え…

「よし…王国で晒し首にしよう……なーにあいつはもうかなり消耗しているはず私のスキル処刑人エクテレウにかかれば必ず殺せる」

金髪の髪を靡かせその女は悪魔のような笑い声を出した…

「んーー…母さんおはよう」

僕は目を覚まして、リビングへ向かい朝の挨拶を済ませた

「えぇ…おはようレイシェ」

「ところでk」

ドンドンドンドン!!

玄関を強く叩く音がした。

僕は嫌な予感がして

「母さん!」

「どうしたの?」

「昨日の約束……覚えてるよね?」

なんでこんなこと聞いたんだろう…

何だろうすごく嫌な予感が

「覚えてるわよ…そんなことより…はーい」

母がドアを開けると

「ここが、レイシェの自宅か?」

鎧をつけたガタイの良い男が母に聞く

「そうですけど…どうしたんですか??」

「我々はリオルトス聖騎士団…ファント・レイシェとその 母ファント・レイア貴様らに、罪状がでている大人しくついてこいさもなければ…」

そう言って聖騎士の男は腰にあった剣を抜く….

「どうする…?ここでこの俺…ルイル・ダンに殺されるか…城までついてくるか」

母は考えるフリをして

「んー…そうねー♩……ふん!」

「ぐぶぉ!!」

思いっきり顔面を殴った……

え?力強……

母は顔を近づけ

「元勇者舐めんじゃないわよ…?魔法やスキルが衰えたからと言って私の物理的力は衰えてないわよ?」

男は顔を押さえながら

「ぎ、ぎざま……死罪の罪ががぜられてごんなごとしてた、ただでずむとおもu」

「ふん!」

…もう1発顔に入れた……

「レイシェ!逃げるわよ!」

母さんはこっちを向いてすぐさまそう言った

「うん!」

その瞬間

「困りますねぇ…元勇者レイア」

金髪の髪をした女が剣を出しそう言ってきた

「……あなた現聖騎士長ユズリア・デアリでしたっけ?」

「いかにも……いやぁー光栄ですねぇ…有名な元勇者に名前を覚えていただけてたとは…」

「えぇ…歴代最年少で聖騎士長になったけど残虐な聖騎士長と有名ですからね」

「そうですか…とても不名誉ですね……ま、そんな事はどうでもいいです…でどうなんです?私たちについてきてくれますか?」

「断る!…と言ったら?」

女はニタリとして

「ここで殺すまでです」

「そう……」

その瞬間母は僕をつかみ

瞬間移動テレポーター!!」

「うぇ!?」

「転移だと!?」

チッ…予想してなかった

所詮は元勇者だから魔法を使えないと思ってたのに予想外だな…

まぁいい

レイアはもう魔法を使

「おい…おい!!」

私は目の前でのされていた新兵を蹴り起こす

「ふ、ふぁい!」

「貴様には回復魔法をかけた…ま、一時的なものだけどな」

「あ、ありg「何をしてる?早く勇者様御一行を殺してこい」

「え?…殺す?」

この男は聞き返す

「もちろんだ…だってあいつらは私たち王国直属の騎士団、聖騎士を殴って逃走したんだ…」

「ここまで言えば馬鹿なお前でも……わかるよな?」

男は少しの無言のあと

「り…了解しました」

「で…ですがどこに行ったのですか?」

私は考え

「んー…おそらく音無の森おんむのもりだ」

「な…なにゆe「あーーもう!ごちゃごちゃうるさいなぁ!…お前も殺すぞ!」

「も、申し訳ありません、すぐに探して参ります!」

私はイラつくように

「余計な手間をかけさせやがって…クソ勇者が」

そう言って

「通達魔法 ノーティス!」

「王国内全聖騎士に継ぐ!」

「元勇者レイアとその子供レイシェが聖騎士を殴り逃走した!」

「よって!レイア、レイシェをこれより指名手配する!」

「もし、レイア、レイシェを見つけたものは即座に躊躇なく殺せ!!」

「以上だ」

「さぁ…鬼ごっこの時間だよ…

「ぐぅ…!」

私はレイシェを連れて転移魔法を無理やり発動させた

「母さん!大丈夫!?」

「ゲボッゲボッッ!ハァ…ハァ……さす…がにもうこれ以上…魔法は使えないわね」

もう魔法は出せない…スキルも使えない

私は今やただの一般人になったのだ。

だが、こうでもしなければレイシェと私は一緒に死んでいた。

あの女はおそらく平気で人を殺す……今までも沢山殺してきただろう

そんなことを思っていると

「あなた達…だれ……?」

ピンク色の髪をしたボロボロの女の子が立っていた

「…人に名前を聞くのは自分から名乗るのが礼儀ではなくて?」

私は木によりかかりながら立つ

「私の名前は、ファンクニール…ドラゴン族の末裔」

「!?」

ドラゴン族…

魔族を抜いて世界最強の魔物……その末裔とはね

「私の名前は、レイア・ファント」

「僕の名前は、レイシェ・ファント」

「そう…レイアとレイシェ……なぜこの森に?」

「ちょっとね…あなたの方こそどうしててここに??」

「私は王国に追われt」ポキ

「!?」

「!」

「…」

近くで枝を踏む音がした

「まずいわね…」

そんなことを考えていると

「さっきぶりですね…元勇者レイアそしてドラゴンの末裔ルーニ」

「デアリ…」

ニヤにとしながらこちらに歩いてきた。

「すみませんが…こちらとしても事情がわかりましてね…処刑人!エクテレウ!

女はそういうと腰にあった剣を抜き

「あはははは!!!」

レイシェの方向に剣を振ってきた。

「な!?」

「息子を見捨てられるかぁ?レイアァァァァァァァァァ!!」

すぐさまレイシェは腰にあった剣を抜こうとしたが

「あ、あれ…力が…」

地面にへばりついてしまった

「ま…まずっ……」

次の瞬間…

「か…かあ…さん……??」

私は考えるより先に体が動いていた……

私はレイシェを庇って今…デアリに剣で刺されたのだ

「ぐふぅ……」

口の中に鉄の味が広がった

「あ…あ…か…かあさんが……そ…そんな」

私…はもう…助からない

「ひひひ…やっぱり……レイアお前はは息子を守るために自分を犠牲にした…」

「レイアあなたは強かった……」

「でも…それはあくまで昔の話…」

「今はもう…お前はただの一般人でしかない!」

女はそう言って刺さっている剣を抜いた

「さて…次はお前だルーニ」

「その後は…レイシェお前だぁ♡」

女は一歩ずつ歩いてくる

「か…かあさ」

「レイシェ…ごめんね……約束…守れそうに……ないや…でも…あなたは私が守るわ」

「そ、そんな母さんダメだよ僕が治癒魔法かけるから!!」

「何を今更…お前はもう虫の息…黙ってそこで死ね」

「ふ…ふふ…そうね……でもどうせ死ぬなら爪痕を残して死ぬわ」

「何?」

「私の…命と引き換えに……一度でいい…最後の魔法……をつか…うわ」

「何を馬鹿なことを…」

「発動して……おね…がい!…最後の瞬間移動!ラストテレポーター

「なんだと!?」

その魔法はレイシェとルーニを包むように発動した

「ありえない…こんな事……ありえない!!」

デアリはそう叫んだ

「レイシェ…あい……して……る」

「かあs」

レイシェとニールはもうそこにはいはなかった。

ここに残ったのは、レイアの死体と…デアリだけだった。

そして女は怒りに任せるようにレイアの死体を蹴りながら

「ク……クソォォォ!!」

「クソ、クソ、クソ!」

「こんのぉ!クソ女が!!」

「最後まで余計な事をしやがって!!」

「ま…まぁいい……どちらにしろ…レイシェを…

「ふ…ふふふ」

「んふふふ…あっはははは!!」

なんの音もしない森の中、悪魔のような女の笑い声が響いた。

「かあさん!!」

僕は必死に手を伸ばした…だが遅かった

もう転移した後で…母さんと女の姿はなかった…

「そ…そんな……」

「なんで…約束……したじゃん………」

僕はとにかく泣いた…隣に女の子がいようと構わず泣いた。

どれぐらい泣いただろうか…それすらわからなかった

ただ僕は、絶対にあいつを許さないと心から決めた……


1話 罪を課せられた2人 完

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