妄想から生まれた怪文書

感佩

虚無主義×インターネット ※偏り注意

 最近は余り良いニュースを聞かない。社会には何となく閉塞感を感じる。

 その原因の一端にインターネットがあると思っている。この文章の様に全くのガセネタから、限りなく現実に即した本質的な金言まで数多の情報をインターネットは取り扱っている。誰でも情報を発信できるため、インターネットを使っている時は常に情報過多だ。

 インターネットの世界にはポジティブな情報もネガティブな情報も溢れているが、人間が古来より黒い噂を好んだようにネガティブな情報に目が留まりやすい。ネガティブな情報を発信するものが多数になったら尚更だ。

 そうして目に留まる些細な絶望から、人々は目を焼くくらいに光り輝く希望を渇望し始める。絶望は期待していないと発生しないので、大なり小なり日々に絶望を感じているという事は毎日裏切りに会っているとも言える。あるいは、理想と現実の乖離からくる挫折とも言えようか。

 推し活、ホスト、キャバ、アイドル。理想を体現した存在が、人生の希望が、そこにいて更にこちらを意識してくれる可能性すらあるのだ。日々の漠然とした絶望が深い人ほど、文字通りすべてを以ってしてその希望を掴もうとするだろう。

 別に、その希望が偽りの存在でなければそれはどんなに素晴らしい事だっただであろう?人間である以上、現実が現実である以上、殆どの場合は最終的に裏切られることになる。自身の全てを捧げたものに裏切られるのは至上の絶望であり、それを感じた瞬間にどっと疲れる。信仰に対して。

 どれだけ疲れたかによって、また信じるものを探すのか、信じることをやめるのかに分かれる。

 信じる体力が残っているならば良い。何度裏切られても体力が尽きないなら。

 大抵の人はそうではない。その疲れが虚無主義への入口だ。


 挫折から立ち直るのには体力がいる。体力だけでなく他者からの協力が必要な場合もある。使い方によってはだが、インターネットはその立ち直る為の体力を奪っている様に思う。いや、体力だけでなくその機会さえ奪っている。

 日々絶望を与えてくれるインターネットだが、時に希望の理論を提示してくれる。具体的には行動遺伝学、最近の流行りを取り入れるのであれば”親ガチャ”と言われるものであろうか。事実であり、免罪符にもなり得る。「それを努力しない言い訳にするな」と言われることもあろううが、そもそも何かに向かって努力するフェーズにすら立てていない事の方が多いのではないか。

 さらに素晴らしいのは、インターネットさえあれば無限に時間を潰せる事だ。そんな素晴らしいインターネットにはスマートフォン一つで容易にアクセスする事が可能だ。数年前にベストセラーとなったスマホ脳にも、スマートフォンを見るだけで相当な快楽を得られると書いてある。

 インターネットには脳死で気持ちよくなれるコンテンツに溢れている。なろうにも此処(カクヨム)にもそこにフォーカスした作品が投稿されているのが一例だ。特にそういう作品のアニメは中国で流行っているとかいないとか。、、寝そべり族、、。嫌な予感がするが。※所謂なろう作品を非難する意図はございません。ていうか毎日三千文字投稿とかすごすぎて尊敬してます。

 話はそれたが、言いたいことは、無意識の内にインターネットに疲れていないか?という事である。ネットにのめり込むきっかけは何でもいい。或いは、我々Z世代の様に生まれた時からネットが当たり前である事もあろう。噂が最も集まる場所で悪い噂に目がいってしまい、精神衛生によろしくないはずなのに、使っている時はこの上ない快楽を与えられるのだから感情も情緒もぐちゃぐちゃになってしまう。そうして積み重なる絶望と依存。厳しい現実を「でも結局死ぬんだから」と片付け、電脳世界を主たる住処とするようになる。

 個人的には、どんな生き方であろうと基本的には幸せであれば良いと思っているので、ニヒルに染まりネットに依存しようが構わない。


人間には神を信じる本能があるらしい。神の目によって己を律し群れでの信頼を勝ち取るためだ。故に、神を信じていると聖人的な人格になりやすいらしい。周りから重宝される性格になる可能性が高いのだ。

 つまり、人の目を通して信仰が生まれるのだ。これは対象が神でなくとも、誰かから見られているように感じさえすれば信仰が芽生え自律が可能となる。

 では、何にも信じられなくなった人はどうだろう?何かの異常によって人の目も何もかにもがどうでもよい人は?当然、自律心がなくなり欲望のままに振る舞うようになるだろう。人にも冷たい。

 更に、インターネットには匿名性がある。匿名性を心の底から感じた時、人の目というものを感じなくなった時に、素顔を隠していたベールが剝がされる。そのベールを剝がされたニンゲン達が電脳世界にとどまらず様々な問題を連鎖的に引き起こす。一つの良いニュースも十の悪いニュースに搔き消され悪循環が始まる。


まあ、結局使い方次第だと思います。尖っていたYoutuberが伸びてきて丸くなる事例は散見されますし、ある程度の自浄作用も期待できますね。(☻)そもそも、ほどほどに距離を取っていれば何かに依存する事も無いし、日々の絶望もそこまで感じないでしょうから。現実世界と電脳世界のバランスが大事なのではないのでしょうか、というありきたりなオチを置いときます。ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

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