第2話 吉本芸人が先輩に女性を斡旋しがちなワケ

 さて。

 松本人志さん、活動休止されましたね。

 自分は松本人志さんと会ったこともないクソ雑魚芸人だったので真相のほどはわかりませんが、知ってる範囲のことだけ思い出話として書いていこうかと思います。


 前回の話で、


 ・吉本興業は芸人の治安まで管理することが出来てなかった(過去形)

 ・その理由は芸人が多すぎるから


 というところまで書きました。


 重ねて言っておきます。

 過去の話です。


 渋谷公園通り劇場とか。

 銀座七丁目劇場が存在してた頃の話です。


 重ねて言いました。

 ってことで、はい本題。



 まず、「どうして吉本興業だけそんなに芸人を多く抱えられるのか」について。


 それは、9行前で挙げたように専用劇場を持っていたからです。

 専用劇場を持っているお笑い事務所なんてほとんど存在しません。

 

 なぜなら「箱(劇場)=負債」だからです。


 劇場を持ってる以上、経費がかかります。

 家賃、光熱費、人件費、エトセトラエトセトラ……。 

 なので、できるだけ一日でも多くイベントを打ちたいわけです。

 で、そんなにイベントを打つとなったら必要になってくるのは──。


 そう、出演者です。


 つまり箱を抱えてるから、多くの芸人が必要ってわけなんですね。


 お店屋さんで考えたらわかりやすいと思います。


 だだっ広いお店を借りました!

 ↓

 でも商品が少なくてガラガラです!


 じゃ、商売になりません。

 自前の箱(お店)を構えたからには、たくさんの芸人(商品)が必要なわけです。

 たとえその品質が高かろうが低かろうが知ったこっちゃありません。

 まず商品自体がないとお店自体が成り立たないんですから。


 さぁ、箱と商品(芸人)が揃いました。

 じゃあ、次はなにが必要だと思いますか?

 そうですね、お客さんです。


 とうことで、大量に抱え込まれた芸人たちは劇場にお客さんを呼ぼうと営業をかけます。

 と言っても、誰にも知られていない雑魚芸人たち。

 ただボーっと口を開けて待ってても、お客さんは来てくれません。


 じゃあどうするか。


 路上でチケットを売るんですよね。

 女の子に。



 当時の吉本のライブでよくあったのが「チケットノルマ制」です。

 吉本以外でもそんな感じだったとは思うんですが、出演する芸人が大体1回のライブにつき10枚くらいチケットを買い取るわけです。

 これによって、吉本側は最低限のチケット代をせしめることができるんですね。

 昔のライブハウスのバンド対バンと同じような構造です。


 さぁ、その10枚のチケットを売ろうとしても、木っ端芸人になんてほとんどファンなんかついてません。

 だから売れません。

 売れないとどうなるのか。

 自分がチケットを買い取った分だけ損します。


 損するだけならまだいいです。


 一番最悪なのが、


 ステージに立ったはいいけど客席がガラガラ。

 

 これが一番最悪です。


 芸人はみんな自分たちのことをめっちゃ面白いと思ってステージに立って、お客さんを笑わせようとしてるのに、そのお客さんがいない。

 これがわりと地獄です。


 なので、チケットを値下げして売ります。


「500円でいいから!」


 なんて言って、渋谷や銀座の路上で初対面の女の子相手に売ったりするわけなんですよね。


 要するにナンパです。


 吉本芸人達、ああ見えて実はナンパの達人の集合体です。


 ナンパ師とかいるじゃないですか?

 でも、ナンパ師って別にナンパ出来なくても死なないですよね?

 人生かかってないですよね?


 けど、こっちはナンパ(チケット手売り)出来なかったら人生終わりなんですよ。


 必死さが違います。

 

 さぁ、そうやってチケット手売りという名のナンパを頑張って自分の顧客(チケット買ってくれる人)を増やしていくと、自然とコンパやらの話に繋がっていきます。


 結局、芸人側もファン側も遊びたいお年頃ですからね。

 これは仕方ないと思います。

 間にスポンサーやらのしがらみも何もない個人同士の話ですから、ここまでは別に悪くないわけで。(当たり前ですが、もちろん未成年はダメです)


 で!


 おまたせしました!


 やっと、こっから先が今話題になってる問題と関わってくるところです!


 さぁさぁ、このコンパにあたっての問題は大きく2つ。



 1.コンパに参加するボス格の先輩(チケット手売りなんかの段階をとっくに脱してるレベルの芸人)というものがいて、それへの接待の意味合いを多少ならず含んでしまっている。


 2.お金がない芸人たちのコンパは家コンが多い。



 まず1について。


 コンパの出席者(女性)を集めるのは、大体がチケット手売りをしてるような末端芸人なんですよ。

 なんでかっていうと、ほぼ毎日ナンパしてるような状態だからどんどん新しいネットワークが広がっていくから。


 で、女の子に参加してもらうため(または自分を大きく見せるため)に末端芸人は言うんですよね。


「◯◯さんって知ってる? その人も来るからさ」


 これで、ちょっとお笑いの知識がある子とかは来ちゃうことも多いわけです。

 で、女性が参加するってなったら実際にその先輩芸人さんにこう言うんですよ。


「あ、◯◯さん! ◯◯さんに会いたいっていう女の子がいまして……」


 はい、これでコンパが一つ出来上がりです。

 そしてこれ、先輩に女性を斡旋あっせんしてる形式になってると思いませんか?



 で、次。

 2についてです。


 家飲み。


 女性からしたら逃げ場なし。


 現代みたいにネット環境も整ってなくて、個人で情報を発信できなかった時代。


 なにか起きてたとしても不思議ではありません。


 ちなみに作者はクソ雑魚非モテだったので、数合わせ要員程度でしかコンパも参加しておらず、特にいい思い出もありません。

 好きだった子を先輩芸人に寝取られたという悲しい思い出があるだけです。



 ということで、なぜ吉本興業だけこんなに後輩芸人が先輩に女性を斡旋するのか。

 その理由を振り返っていくと。



 ・後輩芸人はナンパせざるを得ない環境下で過ごしていて、自然と合コンネットワークが広がるから


 ・その合コンへの女性陣の参加率を上げるために先輩の名前を出すから


 ・先輩へのコネづくり(女性を紹介して恩を売っておけば、おこぼれの仕事をもらえる。師匠のいない吉本芸人からしたら先輩こそが唯一絶対のコネ)



 などが理由ですね。


 今話題となってるアレも、これのグレードアップ版みたいな感じなんじゃないかな、と思ったので書いてみました。


 吉本興業としては、前に書いたようにマネージメント部分なんてゆるゆる(大体マネージャーなんて新人がやるし、スケジュールの管理くらいしかしない)ですから、芸人のプライベートなんか知ったことじゃないって感じだと思います(今は知りませんが、当時の感じでは)。


 まぁ、特に今話題になってることの真相やスキャンダルを知ってるわけではないので、この辺でふわ~っと終わります。


 ちょっとでも「へぇ~」と思われた方は、ハートや☆☆☆など入れてもらえると嬉しいです。

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