第5話 変化のスピードは電光石火
1週間が経った日の朝、
いつも通りニュースを見てみると
その報道に衝撃を受けた。
何故なら二車線の道路で三つの事故が
おきていたからだ。
一つ目の事故は渋滞のために停止をしていた車に後ろからきた車が衝突した。
後ろの車が携帯を見ながら運転をしていた
ための不注意事故だ。
二つ目の事故は制限速度を20km超えて走っていたために落下物の発見が遅れ、落下物を
踏んでしまってタイヤが滑り横転して
しまった。
三つ目の事故は二つ目の玉突き事故で
横転した際に前の車と衝突した。
前の車は後ろからの衝撃で前のタイヤが浮き
ワンバウンドしたらしい。
これらの事故によって車社会に変化が訪れた。
それは自動運転技術の導入だ。
ここ最近ニュースを見ていなかったので
社会の技術の変化に驚きを隠せなかった。
今日はミンテが修理を終えて戻ってくる日だ。
僕はウキウキしながら家を飛び出して
修理店に向かった。
修理店に着くと久しぶりにミンテと再会
した。
事故によって多少傷がついたもののあまり
目立つように見えず安心した。
ニュースになっていた新技術である
自動運転を体験できるという話をされたので
僕は気になって体験に参加した。
体験に使われる車はダイツのムートだ。
ムートを見た時、黒のジグザグに目を奪われた。なんてかっこいいんだと
そしていざ乗車してみると
スポーツカーだからか細長く座高が低いが
座席が右回転して背もたれがこちらに向いてくれるからとても乗りやすかった。
次に席に座り扉を閉めると後ろからシート
ベルトが飛び出した。
急いでいると忘れてしまいがちだから
とても役に立ちそうだ。
ついに発進する時がきた。
ブレーキペダルを踏むとドアミラーが開き、
次にエンジンをかけた。
また違うアナウンスが流れた。
(やっほー わいの名はムート よろしく頼む)
販売員の方に話を聞くと車によって違う
みたいだ。
そして人工知能による簡単な機能説明がある
説明が終わるとカウントダウンが始まる
カウントが進むにつれて機械が動き出した。
3:レバーがドライブモードに切り替わる
2:ブレーキペダルを離すようにと指示
1:アクセルペダルが上から下に下がっていく
0:発進という合図のもと動き出した。
この体験は販売店の周りを走るものだ。
僕はちょっと自動運転を信用できないためか
ハンドルに手を添えると人工知能が道路の
中央に沿って左右に動かしている感覚を覚えた。
そして車のナビから1日の天候や目的地の予定到着時間が流れた。
ハンドルに気を取られていたためか
何か違和感を感じた。
信号が赤になったため、気になって足元を
確認するとさっきまで踏んでいたペダルが
端の方に移動していた。
楽な姿勢で運転できるような仕組みに
なっているようだ。
信号が青になって交差点を渡り終えると
あっという間に体験が終わった。
販売店の駐車場に入るとどこに停めたいか
の質問があり、応答するとそこへ導いて
動き出し、バックまでも自動で行った。
駐車を終え、エンジンが切れた。
ドアミラーが閉じて、ドアが開く
ここまで技術が進化していることに
少し怖くなってしまった。
何故なら一度もハンドル手に触れることなく
自動で運転することが可能だからだ。
いつか愛車ミンテもそんな時が来てしまう
かもしれない。
でも僕はやっぱり自分で操作して
乗っている気分を存分に味わいたい。
車はどう思うのか直接聞けないが
同じことを思っているのではないかと。
変わることは良いことも多いが
反対に悪くなることも寂しくなることも
あるでも受け入れなければならない時が
必ずやって来る。
そんな時が来る前に僕はこの車を
十分に味わい、AIしたい。
AI ひゃく蜂 @Shiyo4456777
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