第20話 バカとイケメン再会
「あれとこれを合わせると、…よし。7マジクまで縮小できる!あとは…」
ゴニョゴニョと独り言を呟いている魔白を、一級魔法使いたちは見守っていた。
「あいつ、やべえって。」
「それな。一体、どんな魔法を作っているのやら…」
予想外すぎる魔白の行動に、一級魔法使いたちは言葉を失う。
いつもの魔白なら、授業はサボり、何処かへと消えていく。これが通常の魔法学校での魔白の行動だった。
だが、今は違った。まるで何かに火がついたような、そんな勢いを感じる行動だった。
その魔白の本気さに一級魔法使いは震えた。
「魔––––。」
魔白を呼ぼうとした先生すらも言葉を発せられなかった…
私は、あきらを守らないといけない。じゃないと、人間ではなくなる!
絶対に、どちらの守護神にもするもんか!ムカつく。ほんとにムカつく!
それにクソババアもマジで許せねえ。絶対にあいつを超えていやる。
あーあ、昔のクソババアの方が私は好きだけどな…
そんなことを思いながら、魔力をどう消費せずに、ベンティーを倒せるかをひたすらに考える。
「絶対、ベンティーを100マジクで殺してやるっ!」
小声で言う。自分に言い聞かせるように。
「これは…うん、こいつと合わせて攻撃。魔力は倍になるけど、これが一番、攻撃力が高い。」
魔白を横目に、先生は一級魔法使いたちに指令をする。
「さあ、皆さんも魔白のように100マジクでベンティーを倒す方法を考えなさい!」
それぞれ、数の少ない一級魔法使いたちも魔白のように考え始めた。
そんな中、ぶつぶつと呟いている魔白に声をかけた少年が一人いた。
「ね、ねえ。」
不安そうな、震えている口調で魔白に話しかける。
「あー!もう!何っ!」
半ギレで答えた魔白に、彼は震えた。
「あ、、あ、えと、、」
おどおどとする少年に魔白は完全にキレた。
「うっさい!なんで、話しかけんだよ!用がないなら、話しかけんな!」
「ちが、その、ベンティーが…」
「え?」
魔白は少年が指を指す方向に目を向ける。
だが、いない。それに、感じ取れない。ベンティーの気配を感じない。おかしい。なんで、こいつは感じ取れているんだ?いるの?
「いないじゃ、、、いや、いる。」
感覚を最大にする魔力をかけた途端、わかった。だが、こんな微かな気配を感じたこいつがすごい。あきらでもわからなかっただろう。
「よし、行くか。」
魔力の縮小、何を唱えるのかも全て計算したし、これで大丈夫!
「あの、ぼ、僕も行く。」
そう言った少年に、魔白は少し首を傾げる。
「あんた、一級魔法使いよね?」
「あ、ああ!」
「だったら、こんな臆病者、話しにならんわ。じゃあね。あんたにはベンティーなんて無理。まあ、察知能力は半端じゃないけど。ん?察知能力…」
確か、あの時も、
「ファム、あんたって、本当に察知能力、半端じゃないわ。」
「ははっ!だろ〜?ありがとよー」
「あんなの、レオンも無理だし、私も無理よ。」
魔白はハッとした様子で、その少年を見た。
「もしかして、ファム!?」
少年は、ニヤリとして、
「正解。」
少年の姿が変わり、突如としてイケメン青年に変わった。
「久しぶり。魔白。」
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次回は3月11日に更新します!
今回は、予定していた投稿日とずれてしまい、すみません!
次から気をつけます!
なんかレオンの勇者パーティって美男美女ばかりな気がしてる…
次回もお楽しみに!
バカなくせに、魔法検定では一級らしいです。 茶らん @tyauran
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