願いが叶うなら私は…

@kokoppe77

空と花

私は空。宮奈高校に通っている1年生。

毎日同じ日々の繰り返しで本当につまんない。

なんかガラッと変わる出来事ないかなっていつも思う。

朝のSTが始まる。いつも通りの今日の1日の流れの説明。周りの人は話を聞かず顔を伏せたり、誰かと話したりしている。私はそれを見て溜め息をする。

「おーい!みんな!誰か廊下に誰かいるぞ!転校生じゃないか!?」とクラスで一番うるさい男子が言う。周りがそれを聞いてさらにうるさくなる。もう静かにしてくれ。私はまた溜め息を吐き顔を伏せる。

「静かにしろ!今日は転校生を紹介する。中に入ってきてくれ」と先生が言い、急に静かになりドアの開く音だけが響き渡る。転校生が入る。それと同時にざわざわしだし、可愛い絶対良い子だ。と声が聞こえてくる。それを聞いて私は顔を起こしその転校生の子を見た。その子を見た瞬間心臓がドキドキした今までに無いぐらい早く動く。え、なんでこんなにドキドキしてるの?この気持ちはなんだろう。私には理解が出来なかった。

「私の名前は花です。よろしくお願いします。」

仲良くするんだぞ!席は…空の前の席はどうだ。ちょうど良い席だな!女子が周りに多いし安心だな。

それを聞き、私の前の席に向かって来る。周りはその子の方をずっと見ている。でもその子は周りを見渡さずに私の方だけを見て歩いてる気がした。何故か私はオドオドしてしまったなんか顔が熱くなってきた気がする。その子は座り後ろを向いた。よろしくね。と微笑んできた。私はまた心臓が早く動くよろしくと言おうと思ったけど声に出せなかった。声が出ない。

声が出せないから私は頷いた。転校生の子はニコッと微笑み前を向く

私は「なんでよろしくと言う言葉が言えなかったのだろう?何か思ってるだろうな…」と後悔と悔しさで心の中がいっぱいになり気持ちが沈む。

STが終わりそこからの1時間が始まるまでに時間があるから周りの人は一気に大きな声で話し始める。私はさっき転校生の子に返事が出来なかったから改めてよろしくと伝えたいと思い声をかけようとしたが、その子の周りに人が集まって来る。その子に対しての質問や自己紹介が飛び交う。私はその輪に入れなくて話すチャンスを逃してしまった。あとで話しかけよ前の席だしいつでも話しかけられるだろう。そう思い私は顔を伏せる。

1時間目が始まるチャイムが鳴り一斉に座り出す。1時間目は数学だ。数学の時間は問題を解き終えたら周りの人と意見交換して良い時間がある。私は良いチャンスだと思った。さっきは後悔しかなかったから次は…

私は数学の問題をすぐに解き終えた。数学は得意分野でもあるからいつもすぐ解き終える。周りの人はまだペンを動かしている。まだ解けた人がいないのだろう。転校生の子もまだ終わってなさそうだ。私は今がチャンスだと思い、声をかけようとするが、また声が出ない。緊張してしまう。私は声かけるのを諦めてノートを見る。その時だった「あの…」と小さな声が聞こえる。私は「はい。」と言い顔を見上げたら転校生の子が後ろを向いて私の事をじっと見つめていた。私はびっくりして持っていたペンを下に落とした。私は慌てて拾おうと手を伸ばす。転校生の子もそれに気づき手を伸ばす。二人の手が当たる。あ、ごめんなさいと転校生の子がニコッとしながら言う。その瞬間私の心臓がまた早く動く。可愛い。思わず口に出す。「ん?何か言った?」と転校生の子が言う。「ううん、私こそごめんなさい」とさっきの言葉は無かったかのように違う言葉を言う。

転校生の子はすぐにペンを拾い机に置いてくれた。私は小声でありがとうございますと小さくお辞儀をする。転校生の子は笑顔で頷いてくれた。

「あ、そうだ!ここの問題を教えて欲しいんですけどわかりますか?」と私に尋ねてきた。

私はすぐに「わかりますよ!教えましょうか?」と言う。

私は凄く嬉しかった。まさか話しかけられるとは思ってもいなかったから…本当は自分から声かける予定だったのになでも話せれるだけで自分の中では満足だった。

問題を教え終わった後。

名前聞いてなかったですね。名前はなんですか?と転校生の子が言う。「空です。よろしくお願いします。あと、敬語じゃなくていいですよ!タメ語で話しましょ」と私は答えた。

転校生の子はそれを聞き「分かった!改めてだけど花です。よろしくね。」二人は自己紹介のあと二人で笑い合う。


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