若夫婦の朝
「さっさと起きてよ、朝餉が冷めるんだけど」
「もうちょっと優しくしてくれよ~」
次の日の朝。久しぶりに颯を起こしに部屋に赴いた。この屋敷は颯が自分で働いたお金で建てたらしく、まだピカピカの新築。なぜこの家を建てたのか聞けば、いつまでもお城にお世話になるわけにもいかないし、律と二人きりの家が欲しかったのだと言った。その時は恥ずかしくなって、私は彼を軽めに叩いた。
「一年ぶりなのに、律は嬉しくないの?」
掛け布団を引っぺがすと、颯は仰向けで私を見つめたままそう言った。なんだこいつ。そんなに私の事好きなのか。
「嬉しいけど、だからって甘やかさない」
「はは、やっぱりだめか」
本当はとっても嬉しい。けど、やっぱり素直にはなれない。素直になれないから言えないし、冷たい態度を取ってしまうけど、彼は分かってくれている。言わなくても思ってることを分かってくれる颯が、本当に大好きだ。いつのまにか私は、心の中では素直に居ることが出来た。いつかこの気持ち、しっかり彼に届けられたらいいな。
※今回かなりの短編となっています。筆者が多忙な故です、申し訳ありません。
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