第6話

「ケンソーンマン!」

「出たな新種!のヒーロー?」

「悪を倒して、めっちゃ謙遜する」

「悪は倒すんだ」

「『いやーホント、僕なんかみなさんの力がないと何もできないですよー、寧ろみなさんメインで倒したんですよー』」

「素直に称えられろ!」

「『流石ですー、今の攻撃ホント当たるかと思いました、センスいいなー、僕にはむりですよー』」

「戦闘中もソレなんだ」

「『いやいやー、今のが必殺技だなんて、そんな大したものじゃないですよー、当たったのはホントまぐれと言うか、花を持たせてもらったって感じですー』」

「独り言!?そこまで言うと嫌味、というか裏がありそうで怖いな」

「『恐縮ですー』」

「なんかもう、普通に嫌な奴だな」

「でもケンソーンマンが悪を倒さないと、私たちの平和が脅かされるんだよ!謝って!」

「あー、見たくもない世の中の仕組みを、うっかり覗いちゃった感じになってきたな」

「必要悪、それがケンソーンマンが背負った哀しい宿命、涙は酒でうやむやに、明日もまた、電車に揺られ悪を倒すのだ、泣くな!立て!進め!ケンソーンマン!」

「本当はヒーローやりたくないんだね、でもやらなきゃいけないんだね、つらいね」

「働いてる大人は大変だなあ」

「んだなあ」

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かえりみち 乃木圧力 @nogiatsuchikara

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