占い師
Grisly
占い師
若いカップルが占いに訪れた。
「私たちの未来を占って下さい。」
N氏は水晶玉とトランプを駆使して
占いを始めた。
「うーん。残念ですが、
3ヶ月で別れますね。
彼女さんの方が、
耐えられなくなるでしょう。」
彼女、彼氏の方をじろっと見る。
思い当たる節がないこともないのだ。
しかし、責任逃れをしたいのが占い。
そんなことは棚に上げる。
2人は必死で追及する。
こんなことで私たちの未来が
壊されてはならない。
「それは困る。
今こんなにも愛し合っているのに。
お金は追加でお支払いします。
なんとかそうならないようにする方法は」
N氏は顔をしかめる。
これこそ、
この店がボロボロになっている理由なのだ。
「自分で言うのもなんですが、
残念なことに、私は優秀な占い師。
私の占いは100%当たり、外れません。
覆すことはできない。
対処法等ないのです。
まじないで結果が変わってしまっては
未来予測ではなくてですね…」
N氏は天才占い師。
彼の占いは外れることがなく、いつも的確。
本来ならば人気となり、
悠々自適な生活が送れると言うものだが、
店は繁盛せず、
彼は廃業を考えている。
占い師 Grisly @grisly
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